肺炎球菌ワクチン

「肺炎球菌ワクチンですが、希望があれば申し込んでね」
「それは受けなきゃダメ?」
「そうじゃあないけど、6年前に接種してますからね」
「そうなの?覚えがない・・・・・」
「効果が5~6年で切れちゃうので、そろそろかな」

看護師さんにそう言われて、肺炎球菌ワクチンの接種を申し込んだ。

保険が効かず、6000円なり。
それはともかく、

テレビで俳優の西田敏行が無料で云々とCMしているのを漠然と見ていたが、
にわかに「肺炎球菌ワクチン」という単語が身近になったので、調べてみると、

65歳までに一度も肺炎球菌ワクチンを接種したことのない人に限り、
自治体が無料で予防接種してくれる、ということらしい。な~んだ。

だけど、
そう言われれば、65歳までは待ちましょうって普通は思うなぁ。

それを6000円も出して55歳の時にすでに接種したというのは、おそらく、
透析患者は抵抗力が落ちているからとかなんとか、クリニックで推奨されたからなんだろうなぁ。

確かに、死因が肺炎という人の数は多いように思う。が、
最終的に肺炎を誘発したのであって、そこに至るのは他の病気でなんじゃないのかなぁ。

肺炎球菌ワクチンを接種しておくと、
その段階(死の直前)で誘発される肺炎を押さえてくれるってことではないんだろうなぁ。

あれこれと、乏しい知識で想像だけを膨らめてしまう。

数日後、
「今日、ワクチン接種しますね」
看護師さんから予告だ。

これはきっと筋肉注射みたいにブスッと針を刺す奴だろうな。
注射の嫌いな私は、もう憂鬱な気分になってしまう・・・・。
透析中の唯一の楽しみの夕ご飯も楽しくない・・・・。

透析をしていると、直接注射しなくても、
透析の血流の中に薬剤を投入することで済ませることができるけど、
予防接種はインフルエンザも直接注射するしなぁ。
その違いがわからないけど・・・・・。

「はい、腕をまくりますね」
左腕は透析針が刺さっていて動かせないので、看護師さんが右腕をまくってくれる。
「はい、ちょっと腕を曲げてね、チクッとしますよぉ」と先生。

歯を食いしばる。
透析針に比べれば、なんてことない太さの針だけど、針は針だ ^^;

「はい、もう終わりです」

憂鬱な時間は過ぎた。

なんとはない痛みを感じながら、静かに目を閉じて眠りに落ちた。

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