夢のボタンホール(1)

透析患者になって2年半が経過した頃、

毎日繰る日も繰る日も、シャントの痒みに悩まされていた。

 

つい、ひと掻きしてしまい、

その刺激がさらなる刺激を呼び覚まし、痒くて痒くて耐えられなくなる。

 

シャントを真っ赤に腫らしたり、掻き傷跡を残したりして透析に臨むと、

「ボタンホールに挑戦してみる?」

「ボタンホール?」

「ペンレス(麻酔シール)を貼らないようにしたいでしょ?」

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透析の医療費負担

人工透析には、莫大な費用がかかる。

その内訳は知らないが、月に40万円ほどかかるのだそうだ。

とても個人が負担し続けられる額では無い。

しかし、公的助成制度が確立していて、個人負担はゼロに等しい。

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障害者申請

市役所の社会福祉課に障害者の申請に出向く。

そう、人工透析患者は、1級の身体障害者なのだ。

 

身体障害って、とっても特別なことで、普通では与り知らないこと。

そう思っていたことが我が身に降りかかってきた。

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シャント再手術(4)ー時間がかかるけど

シャントの再手術から10日が過ぎ、抜糸の日を迎える。

 

手術後の何日かめから、

手術跡が部分的に腫れて赤くなってきて、親指の付け根あたりが鈍く痛い。

透析病院の看護婦さんによれば、

シャント手術によって分断されて動脈の先に血液が充分に循環しなくなって

いることも考えられる、とのこと。

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シャント再手術(3)ーうまくできました

シャントの再手術のため、手術室に入る。

 

一年半前のはじめてのシャント手術と同じ細い十文字のベッド、

それを照らす大きなライトが天井からつり下がっている。

 

今回はもう先生がスタンバイしている。

 

左手は手術、右手は血圧、とベッドに十文字に張り付く。

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