白内障(4)振り出しへ

顔の半分は覆っているのではないかと思われる眼帯と、
痒くおおぼったくてたまらないけど触れない手術痕と、
何より、再手術しなくちゃならないというショックで、
眠れない夜を過ごし、(白内障の手術の話はこちら⇒

当初より予定の術後翌日検診に出向く。


眼圧とか視力とかいくつかの検査を済ませ、先生の診察を待つ。
それにしても、白く濁った水晶体は取り除いたはずなのに、
視界は開けず白く濁ったままなのだ。どういうことなんだろう?

今日は担当の先生は休診で、別の先生が診てくれる予定なので、
いろいろなことが聞けるだろうし、
手術がうまくいかなかったことをどう説明してくれるのかも楽しみだ。

聞き逃しが無いように何を質問するか整理しながら待つことしばし。
するとなぜか担当の先生の診察室からお呼びがかかる。
?? あれ?先生は休診日じゃないのか?????

診察室では担当の先生が待ち受けている。
お約束のように無言のままに目を診始める。

口数少なく挨拶もしないのには慣れたけど、
さすがに今日は何か昨日のことには触れるんじゃないの?と思う…。

と、 よく聞き取れなかったが
今度の手術は、なるべく早く、来週中にはやる。
何かを洗って、レンズを何かに縫いつける、と言う。

いつもは、ほぼ単語しか発しない先生が、
それでも今日は少し「言葉」になっている^^;

それにしても、

縫う?
水晶体の入ってた袋に挿入するんじゃないの?
(遅ればせながら白内障の手術について勉強してきた)
縫うってどういうことだ?
(急に恐怖感に見舞われる…)

と怖気づいているうちに、
診察が終わってしまいそうな空気になり慌てて質問する。
「先生、今、白く霞んで見えないのはどうしてですか?」
「眼圧が高い。水を抜くか 処置室で」ぼそっと言う。
すると看護婦さんが、「こちらへ」と処置室の方へと促す。

処置室の待合で看護婦さんが麻酔の目薬を射しはじめる。
それがまた手術痕に沁みるのを堪えながら、
水を抜くって?どういうこと?目に針を指すってこと?
付き添ってくれている家内に聞く。

「先生、今日は特別に出てきてくれたのかしら?」
「そうかもしれない。マズイって思ったんじゃないのか」

水を抜く話はどこかへ行ってしまった…

処置室の椅子式ベッドにスタンバイさせられる。
手術室と変わらないような装備な気がする。
まるで当然のように緊張が高まる。

椅子が倒されて、なにか目にはめられた気配。
「真っ直ぐむいて」来たぞ、真っ直ぐだな、ヨシ。
と、何か目ん玉に違和感だ。水を抜く針を刺したのかな?
説明しながらやってよ~(悲鳴をあげたくなる…)
緊張で呼吸が早くなる…が、ほどなく終了。

「先生、緊張で目玉が動いちゃうんで全身麻酔はどうですか?」
「一瞬やから…」先生、関西人らしく関西弁だ、関西人なら…
取り付く島もなく話も処置も終了となる。

次は2日おいて術後4日めの診察になる。
会計(手術含めて35,000円ほど)を済ませて帰る。

手術はうまくいかず、目は霞んだままなのにも関わらず、
手術したことはしたわけで、ちゃんと支払いは発生し、
術後の養生もちゃんとしなくちゃならない。

週末を挟んで、術後4日めの診察。

先生は無言のままに診察台を顔の前に滑り出させる。
僕も無言のまま、所定の箇所に顎を乗せ、額を押し付けて、
顔を固定し、目玉は前を向くよう意識して診察に備える。
目が開けにくい…

「左上、左、左下、下、右下、右、右上、上…」
指示される通りに、もたもたしないように目玉を動かす。
もたもたしてると、先生の語気が強くなって怖いから…。
でも目玉が動かしにくい…

と、まだ診察台に顔を乗せたままなのに診察台が動き出す。
うわ、危な!油断した!
いいです、とかなんとか言ってよ!さすがにムッとした。

と、「手術は来週でも構わんかな?」いきなり。
え?今週中ってけっこう断定的に言ってたじゃん…。

ま、素人考えでは、
術後の養生の1週間をちゃんと養生して、
目が落ち着いてからの方が安気ではあるけど…。

先生、
じつは慌てていていろいろ判断がくるってたんじゃないの?
つい懐疑的になってしまう…。

しかして、再手術は翌週ということで決まり、
今週かけて術後の養生に専念することとなった。
お風呂には入れず、顔や頭も洗えず、運動や人混みを避け、
4種類の目薬を朝昼夕夜の4回、各5分おきに差す。
けっこう厄介な日々だ。

一応、事務的に手術の説明を再度受けて、と、
「今度は麻酔の注射を打ちますね…」
なに?麻酔の注射!注射?!目に?!

後の説明は上の空になってしまった。

「麻酔の注射」「縫い付ける」
恐そうな単語だけが頭の中で繰り返されて、
振り出しに戻るための術後の養生の日々が始まった。

つづく

“白内障(4)振り出しへ” への4件の返信

  1. 読んでいる私もこの先生何なん?って思います、こんばんは。麻酔注射の前にきっと麻酔の目薬をしますよ!!
    顔も頭も洗えないのは困るけど、夏でなくて良かったですね。眼にお湯がかからないように洗っちゃダメなんですか?
    透析日もお風呂はダメと言いますよね、でも私入ってます。テープが濡れたら貼りかえてます(^o^)、寒ーーくナイ日はシャワーですけど。透析前にお風呂に入り、当日夜には入らないけど感染症になった知り合いもいるしね、テープが濡れなければお風呂大丈夫そうです。
    まだまだ面倒な日々が続きますね、手術の大成功を祈ってます

  2. ユメさん、こんにちは。

    夏でなくてほんと良かった。
    さらに手術の前に床屋に行って、4分で刈り上げてもらっておきました^^v
    それでも我慢ができず、洗面台で上向きになって家内に頭を洗ってもらいました^^;

    透析の時は、基本出かける前にシャワー(冬は風呂)を浴びて行きますが、
    帰ってからは入りません。
    温泉旅行に行った時、水を通さないテープを貼って入ったことはありますが^^;

    再手術は何とか無事終えられました、ご心配おかけしました。
    あらためて記事に書きますね。

  3. 再手術は無事に終えたのですね?良かったです。
    効果がわかるまで、2~3週間かかったと思います。

    経過良好の記事を期待しています。

    私の手術の記事は、ちょうど3年前の3.11に書きました。(-_-;)
    まだ白内障の手術前の人には、先進医療保険に入られたほうが良いとお勧めします。

    私の場合、両眼を手術しました。しかも、遠近両用(高額)のレンズを入れましたが、費用は全額保険適用。

    ただ、糖尿病の弊害で、眼底出血の治療、レーザー手術も受けました。
    眼底出血の影響で、年々視力が弱ってます。でも白内障の手術のおかげで、老眼鏡をかけなくても焦点が合って見えるようになりました

    透析で体力低下、視力低下、運転免許を返上したので、行動半径は劇的に狭くなりましたが何とか、今、話題の福生病院の患者の様な透析拒否は回避しています。

    視力は落ちたものの、パソコンや映画を観て楽しんでます。ちなみにpcモニターは、17インチから32インチに変えました・・・・
    DVD映画は、100インチのシアタースクリーンに。

    病気自慢の順番が違うようですね。

    私の場合、糖尿→肺炎→心臓バイパス→白内障→透析→現在。

    ちなみに私の白内障手術の時、手術前の検査でドキドキし過ぎて血圧が上がり、安定剤を飲まされて、術中は眠って記憶がありませんでした。
    カミさんに時間を確認したら、20分くらいでした。二週間後、もう片目。

  4. Windmillさん

    安定剤で眠ってましたか、それが何よりうらやましい^^;

    あらためて記事にしますが、白内障の手術とはかけ離れた手術となり、
    1時間ほどの切ったり貼ったり縫ったりのつらいつらい手術となりました。

    その分、炎症も大きいらしく、回復にも時間を要するそうです。
    今日は術後4日めですが、まだ目を開けていられません…。

    レンズのことは、何の選択肢も与えられず、
    先生が、私に合ったレンズを用意するという一言でした。

    保険は60歳ですでに満期を迎えてしまって、
    その後は透析のため保険には未加入の状態を過ごしています。

    それにつけても、
    糖尿はなにかにつけ厄介なようですね。ご自愛ください。

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