白内障(5)再手術

白内障の手術がうまくいかず(白内障の手術の話はこちら⇒
だけど、術後の養生はちゃんと必要で、
1週間かけて養生を済ませて振り出しに戻って(その話はこちら⇒
改めて、術前の準備の日を過ごし、いよいよ再手術の日は来た。

予定の時間より2時間も早く受付を済ませ、
家内と手術準備室の待合の椅子に座っていると、
準備室の看護婦が、まだだいぶ時間があるけど…
と、すまなそうに断りを入れに来た。

2週間前に世話になったばかりだし、なんだか親しい気がするし、
手術前のDVDも説明ももう必要ないし、
「大丈夫大丈夫、解ってますよ」と勝手知ったる余裕の対応^^v

が、いざ手術室へ向かう段になると、
いくら深呼吸しても鼓動の高まりを抑えられない…

麻酔の注射を顔に打つんだろうし、
針でレンズを縫うって言ってたし、
手術予定時間は1時間だっていうし、
前回とはまったく違う手術が想定され、新たな緊張に襲われる。

手術室。
2週間前と何ら変わらない準備がすすむ。が、
右目の所だけ穴の開いたシートで顔が覆われた。
前回はこんな大袈裟だったっけ?違うような気がするが…

そのシートの上から顔が押さえつけられた。
先生、何のあいさつもないけど、いよいよ始めるんだな。
「がんばりましょう」「お願いします」くらい言葉を交わしたいもんだ、
とか思いながら。

でも、もうそんなことは言っていられない。
来るぞ、麻酔の注射が来るぞ、と身構える。
目頭側の下まぶたに圧力がかかる。ん?これか?麻酔来たか?
(麻酔打ちます、くらい言ってよ~)
あれ?おかしい、何も見えなかった、痛くもない、?
さらに2回ほど圧力がかかったように思った。
麻酔注射が済んだってことか?(声かけてよ~)

警戒に警戒をしていた麻酔注射が済んだらしい。
しかも痛みを感じることなく。
良かった、第一関門突破だ^^

その後は、とにかく目が動いたなんて言わせないように、
1点を睨みつけるように目に力を入れて構え続ける。

だけど、
白く濁って薄ぼんやりしか見えないのは前回と変わらないが、
いくぶん前回より見えるようになっており、それが怖さを増す…。

顔を押さえつける先生の手に力が入る、始まるな。
ジ~というような音が響く、電気メスか何かかな?勝手に想像する。
目玉に違和感はあるが痛みは無さそうだ、やや緊張感がゆるむ。

ジ~、ジ、ジ、ジ、ジ~~~…
電気メスと思われる音が休むことなく連続している。
前回破れた水晶体の膜を取り除くように何かを切ってる?
それとも、もうレンズを縫い付けている?
とにかく休むことなくジ~という音が続いている。

目が疲れてくる。まばたきしたい、目の力を抜きたい…
そう思っているうちに薄ぼんやり見えていた視界が閉ざされた。
真っ暗になってしまった。あれ?何故だ?不安がよぎる…。

だけど、見えないのはむしろありがたい。

と、先生がため息をついた。
え~?なに~?

そして、顔を押さえつける力が緩んだ。
チャンスだ、まばたきだ!パチパチパチパチ^^
「まばたき、やめて」怒られた…

まばたきを怒られたのと、2回のため息以外は、
ほとんど無口に黙々と先生の処置はしばら~く続いた。

そして、突然、ベリっと、
顔に被せられていたシートがめくり取られた。

え?あ?終わったの?
先生、なんとか言ってよぉ~。

看護婦さんが、右目に大きな眼帯を貼り付け始め、
血圧計だとか心電図だとか外されて手術は終わった。

先生の空気感だろうか、
看護婦さんも助手の人たちも「終わった」とも「お疲れ様」とも
何にも言わない…
「ありがとうございました」と言うタイミングもつかめないまま、
車椅子で手術室から連れ出されようとする。
慌てて、誰にともなく「ありがとうございました」と声をかけた。

そのまま手術準備室に連れて行かれ、
準備室の看護婦から手術は成功したと聞かされ、
今日は30分ほど休んでから帰るようにと指示される。

手術室に入ってから1時間20分ほどが経過していた。

そのまま、先生からの説明とかがあるわけでもなく、
家内と30分ほどお喋りしながら休んで、病院を後にした。

また、術後の養生が始まる。

つづく

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