大学時代の友人が天の橋立に暮らしている。4年前に脳梗塞を煩い、右半身が不随で、喋ることもできずに年賀状も途絶えている。
ただ、かろうじて短いメールで連絡は取れている。その短いメールの中に放っておけない一文が…「…だから、生きているのが精一杯で何の希望も抱けなくなりました…」というクダリ。
こりゃいかん!会いに行かなきゃ!
お互いに顔を見て、会話ができないまでも話をして、一緒に時を過ごさなきゃ!
食べることもままならないと言うが、こちらの名物のできるだけ柔らかい饅頭と、歳とってから始めた手製の梅干を手土産に半日かけて天の橋立まで。
出迎えてくれた彼は、本当に右半身は動かず、顔にも力がなく、アーウーとしかしゃべれない。が、話が通じないわけじゃないので、こちらからほぼ一方的に近況や懐かしい話など。時々、笑い顔になることを救いに、2時間ほどの時を過ごして退去した。
もうこれで会えないのかもしれないなと、去りがたい思いに駆られながらも、彼に疲れが出てきているのを感じてきたので、退去した。
しまった!ハグしてくればよかった…。と、後の祭り…。
本当に生きているのが精一杯なんだろうと容易に想像がつき、何の励ましの言葉もかけてやれなかった…。どんな励ましも、経験がない言葉は薄っぺらくなってしまい、そんな言葉が胸に響かないことは身をもって承知している。
「また会いに来るからな、なんとか生きていろよ!」
彼は笑ってうなづいた…、ような気がした。
ほんとうに会いに行くか?嘘じゃないだろうな…。自問自答しながら…。

