秋深し 読書もゲームも スマホかな
夏の休みに携帯電話をスマホに替えた。
仕事に差し障りが無いように、夏休みの間に操作を習得しようと思った。
妻と子供たちは「LINE」とやらで情報交換しており、
そこに孫の写真がアップされてくると、
私は妻のスマホの「LINE」を覗かせてもらうという有様だった。
しかし、どうしても必要なことは、電話なりメールなりでコトは足りているから、
これといって特に不便は感じていなかったし、
世の多くの人たちがスマホと首っ引きで他を寄せ付けない光景がどうも釈然とせず、
なんとなくスマホに面白くない感情を抱いてもいた。
喫茶店などでも、向かい合うふたりがそれぞれのスマホに釘付けで、
話もしないでいる光景など、世も末なように感じていた。
目の前の相手と血の通う会話を楽しめよ。
が、それでも、それは個人の使い方の問題であるし、
FacebookだのLINEだのでスマホに替える廻りからの要望はあるし、
時代の流れでもあるし、etc
スマホに替えた。
操作に少し慣れ、せっかくなので少しは便利に使いましょうと思い、
無料で付いていた「メモ」のアプリに読みたい本とか行きたい所とか、
メモっておくようにした。
ある日、本屋に内接する喫茶コーナーで、読みたい本のメモを開いて見ると、
先に書いたメモに「お調べしました」とメッセージが入っており、
メモの特定の単語等にリンクが張られている。
どこにリンクするのだろうと思い、リンクをクリックしてみると、
本そのものを紹介したページが表示される。
「ほぉ~」と感心する。
さらに、そこには試し読みなどもあったりして、「ほぉ~」と感心しながら読み始める。
首っ引きになっていたのだろう、妻から声がかかる。
「おんなじね」
「え?なにが?」
「喫茶店で向かい合って話もせずにスマホなんて、って言ってたじゃない」
「ぉお~、スマホでゲームとか音楽とか、な。俺は違うぞ」
何をしていたのか、いい訳のように説明する。
「読書だって、ゲームだって、おんなじだって」
「そうかぁ・・・・・・」
確かに、スマホに首っ引きで話もしようとしていない・・・・・。
ハタから見れば、いい歳した親父が本屋の喫茶コーナーで、
本も読まず、向かいの女房と話もせず、スマホに夢中になっている。
そうとしか見えない。
本を読んでいるのだと言い訳しても、
スマホを食い入るように見入っている光景は、ゲームをしてる光景と変わらない・・・・。
いや、むしろ対戦型のゲームの方が誰かとつながっていて、
排他的ではなかったりするのかもしれない・・・・。
スマホに向きあう光景に対する偏見を無くさないといけないのかなぁ。
くやしいが スマホさまさま 無我夢中