心臓冠動脈バイパス手術から1年が経過し、
うまくつながった二本のバイパスと、ふさがってしまった一本のバイパスの
経過状況を検査してもらう。
また、カテーテル検査だ。
この1年は、これでカテーテル3回、心臓手術、シャント手術と、
合計5回も手術用ベッドにお世話になる。
慣れてはきたけど、毎度緊張するシーンだなぁ。
「足の付け根のところ麻酔しますから、消毒しますね」
狭い手術台の上でスッポンポンにされて、
二人がかりで下半身に消毒液が塗られていく。
冷たいじゃん、ちんちんが萎縮する。
「では、始めます」
「はい」おや?見知らぬ若い先生だが?
「麻酔です、チクッとします」
チクッとすると言われると想像が膨らみ、身を固くする。
「管を刺していきますので、痛かったら言って下さいね」
いつも思う、痛かったからじゃ遅いんだよなぁ。
ビクッ!
体が跳ねた。痛い!!
「ぅうっ!」痛みは一瞬だろうと堪える。が、
汗が噴き出す。痛みが収まらない。
いや、痛みは続いている。
こぶしを握り締め、体中の力を抜くことができない。
「痛いですか?」
「いっ、痛いです・・・・(この流れる汗、聞くまでもないんじゃないの?)」
「一回抜きますね」
ふっうぅ~ 汗が体中流れ落ちる。痛かった。
若い先生からいつもの先生に替わった。
(って、いつもの先生も若い女性の先生だが)
そうは言ってくれないけど、失敗したんだな、きっと。
刺し直し・・・・・。
再び体中を緊張させる。が、
ちょっとした違和感だけで済んだ、良かったぁ。
「あれぇ、ここかなぁ?違う?」とか、先生の声が聞こえる。
何か上手くいかないのか?おっかなびっくり先生の方へ視線を移す。
そう、注射もそうだが、様子を見ていることは怖くてできない^^;
不安をかき立てるようなことは言わないで欲しいなぁ。
汗が冷えてきて寒い・・・・。
「風船・ステント治療をしようと思います」
(つづく)