集中治療室の長い夜が明ける。
一晩中看護婦さんの手を煩わせ、右だ左だと寝返りをうたせてもらい、
あっちが痛い、こっちが痛い、とぐずぐず言って、やっと朝が来る。
左手の肘から薬指と小指にしびれがある。
右側の肩胛骨あたりが痛くて右腕に力が入れられない。
手術のせいか?寝姿勢が悪いせいか。
透析は集中治療室で行われるが、
ドライウェイトはたぶんもうめちゃくちゃになってるんじゃないかな。
「下半身を綺麗にしますね」
綺麗にして個室に移動するのだという。
下半身は、T字帯とおむつをしている。
?いつの間におむつをしたんだろう?
ちんちんやらお尻やら、チャチャチャっと拭いてもらい、
それで終わりかと思ったら、ペットボトルのお湯をドボドボかける。
ベッドの上なのに、ドボドボかける。
オムツの給水力はそんなにスゴイのか、ドボドボ何度もかける。
そんなことに感心しているうちに、下半身もさっぱり^^v
と、看護婦さん数人寄ってきて、新しい寝間着に着替えさせられる。
寝返りもうてないけど、そんなことお構いなしに着替えさせられた。
と、移動ベッドにサッサと移されて、追い出されるように個室へ移動。
酸素マスクをつけるように指示される。
苦しかったり痛かったりすると、呼吸が浅く早くなり、
体に酸素が足りなくなってくる。
「ダメダメ、もっとゆっくり呼吸して。」
「は、はい、そんなこと言ったって・・・・。」
酸素マスクをむしり取ってしまいたい衝動に駆られる。
「次は、歩行練習をしましょう」
「は?」目が点になる。
傷口が痛くて寝返りもうてない状態なのに?
手術後3日め、どんどん歩けってことか。
ぐずぐず弱音をはいていると、
痛み止めを打たれてベッドからおろされて歩行練習。
「がんばって、50m歩きましょう」
ス、スパルタだぁ!
もう、病人では無いらしい。
外科的には、手術が成功した段階でもう病人では無いらしい。
退院へ向けて、体を回復させていく。
(つづく)