道後温泉に一泊することになった。
道後温泉の近くで臨時の透析を受け入れてくれる病院を探す。
まずは、かかりつけのクリニックで愛媛県松山市の透析病院リストをもらう。
その中から、道後温泉に近くて、夜の透析を受け入れてくれて、と、
ネットで調べながら条件に合う候補をあげていく。
思いの外、透析の情報に関して不親切なホームページ(病院の)が多い。
透析そのものの説明とか透析機材とかの説明はあったりするが、
日常的な透析治療はどのように行われるのか、
ましてや、臨時の透析治療に関する案内は少ない。
それほど必要とされていない情報なのだろうか?
それでも3件ほど絞り込んで電話をする。
まずは、旅館に一番近いところから。
「11月14日の夜に臨時の透析をお願いしたいのですが」
「申し訳ありません、ベッドがいっぱいでお受けできません」
ベッドがいっぱいなんて初めてのケースだ。
あとで解ったことだが、その週末、松山では大きなイベントがあり、
市内の宿泊施設もすべて満室になっていた。
2件め(道後温泉から4キロほど)
「11月14日の夜に臨時の透析をお願いしたいのですが」
「16:00以降の穿刺になりますが」
「大丈夫です、お願いします」
パジャマとバスタオル2枚と止血バンドとイヤホンと、と持ち物がたくさんだ。
この辺の持ち物は、病院によって様々だが、病院の意向に従うしかない。
さて、当日。
松山駅から、市電・市バスを乗り継いで病院へ。
松山はJRの駅より、市電の駅(松山市駅)のほうが賑やかだ。
ここは、透析専門のクリニックではなく、
病院なので透析は診療科目のひとつに過ぎない。
が、それでも50ベッドくらいあるだろうか。
16:00穿刺スタートで、私の順番になったのは16:50だった。
ここでは、針を刺す人と、機械と繋ぐ人とは担当が別れる。
「食事の分は何グラムくらいにしておきましょうか?」
「え?何グラムくらいの食事が出るのですか?」
「いつもはどうされていますか?」
「いつものクリニックでは食事は700gみていますが」
「それでは700gで」
「はぁ・・・(ち、ちがうんじゃないの?)」
勝手が違うものだ・・・。
「固いですね、針先は大丈夫ですか?」
「ちょっと痛いようです、少し引いてください」
針を引いてもらう。
「どうですか?」
「様子を見ます」
針先が血管に当たっている痛みなのか、
そもそも針を刺した痛みなのか、ジンジンとしているだけですぐにはわからない。
が、しばらくしても痛みがひかない。
穿刺部を見てみると、なんと、腫れてきているじゃないか。
「ごめんなさい、腫れてきちゃいましたね、湿布しておきます」
「はい、ありがとうございます」
久々に穿刺失敗で、でも刺し直しはしなくて済みそうだ。
それから3日後、紫色に腫れ上がってしまった。
まぁ、お土産付きってことで^^;
帰りは、さすがに知らない土地で、しかも透析の後で、バスに乗る気力はなく、
タクシーを飛ばして道後温泉の温泉宿へ。
ただ、透析の後でお風呂に入るわけにはいかず、
せっかくの温泉宿でも、温泉に入るのは、明日の朝のお楽しみ。
腫れてジンジンする腕を抱えて布団に潜り込みました。