血圧が低下するということ

あと20分くらいで透析終わるって頃だったろうか、

急にふわふわっとした気分になって、

急降下で落ちていくような錯覚に陥って、

気持ち悪い、吐き気がする?

あれ?どうなっちゃう?

 

慌ててナースコール!

 

ブッーブッーブッーブッー!

病室全体に響き渡るナースコール。

これが恥ずかしくて滅多にナースコールなんてできない。

 

「どうしましたっ?」
看護婦さんが跳んできてくれる。
「気持ち悪い・・・・」
「解った、終わるね、血圧計るね、すぐ楽になるでね、がんばってよ」
「はい・・・」

 

でも、楽にならない。冷や汗が流れる、体中に流れる。呼吸が荒くなる。
「大丈夫?少し横になるか」
横向きになる力が無い、せめて顔に流れる汗を拭いたい・・・。
もうひとり看護婦さんが来て僕の腰に手を添えて体を横向きにする。

 

意識が遠くなってきてないか?どうなるんだ?

 

「これ、口の所に当てとくか」
吐いてしまった時の備えのうがいキャッチが置かれる。

 

吐いてしまう可能性があるってことか?
上向きで喉に詰まってしまわないように横を向かせるんだな。
そんなこと思ったら、余計に吐き気が襲うような気がする。

 

「除水は止めましたからね、楽になりますからね」

 

でも冷や汗が止まらない、どうなっちゃうんだ?

 

「お水、戻すね、500位戻すね」

 

どういうことなのか、知識の無い範疇の話で、解らない。
500gくらい血液中に水分を戻すってことだろうけど、そうするとどうなる?

 

少しして、冷や汗が止まった。
意識もしっかりしてきたし、吐き気もおさまったようだ。

 

「顔色が戻ってきたね。もう大丈夫ね」
「ちょっと無理な除水しちゃったかな」
「3.5kgの除水は初めてじゃないよ、何度もしてるのに?」
「実質の増加が問題でね、前回の残りが1.1kgあったでしょ?」

 

実質の増加がどうかなんて、これまでに話題に上がったことは無いのに、
急にそんなこと当たり前のように言われても・・・・。

 

「血圧も戻ってきたけど、20分位休んで帰り支度しましょうか」
「はい」
「聞けばびっくりしちゃうような血圧だったわよ」

 

後でカルテを覗くと、61/49 と書いてあった。^^;;;

 

血圧が低下していっちゃうと、人の体はどうなっちゃうのか?とか、
“実質の体重増”のこととか、いくつか疑問が湧いたままだが、

 

のど元を過ぎて、

その疑問は疑問のまま、調べようともしないで忘れていく。

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