NHK・BSで放送されている、「にっぽん縦断こころ旅」という番組。
俳優の火野正平さんが自転車で、読者から寄せられた便りを頼りに、
読者の「こころの風景」を訪ねる、という番組。
これが、また味わい深い。
特に、年配の方(って、自分と変わらないくらいの年齢も含めて^^;)から、
遠く離れた故郷の、幼い頃の風景の便りなんかだと、それだけでこころに沁みる。
その風景の中で、バックに心地よい音楽が流れる中、
火野正平が読者からのお便りを読み、「〇〇(読者)さん、来たよ」なんて言う。
じ~んとする。
忘れてはいけない、忘れてしまっていた、こころの風景がよみがえる。
北海道を走る、という番組予告を見て、学生の時の北海道旅行がよみがえる。
思い立って、私のこころの風景を投稿してみた。
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私の心の風景は、礼文島のフェリーの着く港にほど近い小高い所にあるお寺の本堂と境内から見る風景です。
20歳の時、友人と1ヶ月バイトしたお金で北海道を貧乏旅行していて、フェリーで礼文島に渡りました。
港からほど近いお寺に行き、軒下で寝させてもらえないか尋ねたのです。
その頃、リュックを背負って、周遊券を片手に、野宿したり駅で寝たりして、北海道を回ることが流行っていたのです。
すると、住職さんは「本堂を使えばいい」と快く本堂へ入れてくれたのです。
でも、夜になるとなんとなく不気味な本堂で、急いで買い求めたローソクの灯りに友人と震えていると、住職さんが一升瓶を持って現れました。
「まぁ飲みなさい」と。
「北の誉」という地酒ブランドも知らない頃の話です。
更には、ポータブルレコーダーとソノシートを1枚持って来ました。「この歌を覚えて帰れ」と。スコトン岬がどうの、・・みたいな歌でした。その夜は住職さんから合格をもらったのですが、残念ながら忘れてしまいました。
そうして、住職さんと本堂での酒盛りの夜は更け、いつしか寝袋で眠りにつきました。
翌朝、本堂隣りの住職さんの食卓に呼ばれ、朝食をご馳走になり、私たちはお寺を後にしました。
あれから、何のお礼をするわけでもなく、40年ほどが過ぎてしまいました。お寺の名前も、お寺から海が見えたのかどうかも覚えていませんが、本堂の風景は忘れません。今でも旅番組で北海道の情報を見聞きするにつけ、必ず、礼文島のあの一夜を思い出します。
住職さんはご健在でしょうか?
正平さん、チャリオ君、礼文島のフェリーの着く港のほど近く、小高いところにあったお寺を見てきてもらえませんか。そして、住職さんにお礼をお伝えいただけないでしょうか。
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身の程知らずで、
ひょっとして読んでもらえるかも、とわくわくしながら放送を録画する毎日。
が、今日で北海道編も最終日・・・・。
礼文島までは行かずに終わる・・・・。
残念でした^^;
それでも、女房も話につきあってくれて、
録画した番組を一緒に見ながら、少しの期待をふくらめて、
楽しく過ごさせてもらった。
「次は、九州、四国、中国方面だって」
「思い出す風景が、・・・・・・・・ないなぁ・・・・」