眼科医の待合室にて

大学病院での白内障の手術が済んで、その後の治療はかかりつけの眼科医に戻された。ので、かかりつけの眼科医で診察の順番を待っていると…

隣に詰めて座ったおじいさんが…もちろん私もおじいさんではあるが、もう少し年配のおじいさんが座ると同時に

「目医者っちゅうのはあれだな、がんこ悪くなってからじゃないと来んもんで、なかなか治らんだいな」と言う。

あれ?それは私に向かって話しかけられたのか?もしかして…そういう気配を感じて目線をむけると、視線が合った…。まったく知らない人ではあるが、話しかけられたんだとはっきり認識したので、仕方なく

「そうですかね…」と丁寧気味に応えておいた。

すると、話し相手になると踏まれたか、

「ここはあれだな。白内障の手術はできるが、緑内障になると治せやせんもんで、あれだな」

と、批判めいた口調の展開になった。しかも待合室全体に聞こえそうな大きさの声だし……、これ以上付き合っちゃうと悪口に巻き込まれそうでまずいなと感じた。

「そう?…」小さく不愛想に返した。

すると、独り言のような小さな声で何か言った。が、私が無視すると、もうひとことふたことブツブツ言った。

私は諦められたんだろうと感じたので、急ぎ文庫本を取り出して完全に話を拒否している体制をとった。

さらにタイミングよく受付で呼ばれたので席を立つこともできた。

保険証の確認を済ませ席に戻ると、そのおじいさんは今度は私と反対隣の人に向かって何やら話しかけていた。

まだまだコロナ禍で、できれば密に座りたくないし、不必要な話は控えたい思いでいるのに、そうは思わない人が居て、平気で踏み込んでくる。

この人はきっと次にはマスクを外しているんだろうなぁ、困ったなぁ。あれこれ個人の判断に委ねられるのイヤだなぁ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です