コロナ禍で、すっかりディズニーは遠いものになってしまい、もう丸2年も足を運んでいない。
いたずらに心がざわつくだろう気がして、積極的にディズニー情報に触れようともしていない。が、
一冊の本に手を出してしまった。
「ディズニーキャストざわざわ日記」
私より3歳年上の男性が65歳まで勤めたディズニーキャストの体験談だと。
美しいばかりじゃない本当の姿を語るみたいなスタンスの内容なのだと。
だけど、この方、大手企業からの転職者であるし、年齢も年齢なのだから、そこは単なる暴露話に終始するのではなく、きっと存分にディズニーマジックを語ってくれるのだろうと期待しつつ。
コロナ前、ディズニーで働いてみたいと夢を見て、キャストの面接に通った(その話はこちら⇒)。
60歳で定年退職して、もう仕事なんかするつもりはこれっぽっちもなかった。が、働くことの締め括りをディズニーでしてみたいと思った。
というのは、
仕事とはお客様のベネフィットのために働くことだ、なんてお題目を常々唱えてきた。それが知らず知らず自らの利益にも繋がってくるものなのだ、と。だけど、そういう姿勢で働いているつもりなのに、ついつい自分の側の利益を先に計算してしまうことも多い仕事人生だったように反省しきりで、ただただお客様のベネフィットのためだけに本気で働くことをしてみたいと思った。
それが、ディズニーでならできると思った。ディズニーだからできるのだと思った。
ゲストとして、そんな体験をいくつかした。そんな体験を通してディズニーマジックにかかり、30年以上もマジックにかかったままだ、しかも喜んで。
どうすればゲストがディズニーで過ごす時間を最大限の幸せにできるのか、そのためにキャストである自分に何ができるのか、ただそれだけを考えて働く。ただそれだけを考えて働くことがディズニーでは歓迎されている、はずだ。
もちろん、働く以上は、夏の炎天下、冬の寒風、蒸し暑い雨、冷たい雨、etc…年齢的にも厳しい自然条件に耐えなきゃいけないことは承知の上だ。が、こちらとしてももう生活をかけて働く必要もないという定年退職後のお気楽な条件も背景にはあるからそんなこと言ってられたのかもしれないが。
結局、5回も面接に出かけたが不徳のいたすところで採用されることはなく、ここはもう年間パスポートを買ってディズニー三昧しようと(その話はこちら⇒)。
それでも懲りずに6回目の面接をいつ受けようかと思っているうちにコロナ禍で、思いは頓挫したまま、しぼんでしまっていた。
手にした一冊の本で、にわかに思い起こしたディズニーキャストへの道であるが、間もなく66歳、ただでさえ気力体力衰えているのに、この二年のコロナ自粛生活は拍車をかけるように体力気力を奪い去り、しかもこの一年は不覚にも4回も入院を繰り返したりもして、ますます萎えた思いでいるところだ。
それでも、遊ぶにしても、働くにしても、ひさびさにディズニーで心がざわついた。