強烈な便秘に襲われる

透析を始めてから半年くらいが経ったころ、
強烈な便秘に襲われた。

 

そういう経験は産まれてこの方、一度も無かったので、
まさかそんなふうになるとは想像もつかないわけで、

 

懲りた・・・。

 

いや、もっと懲りたのは看護婦さんだろうなぁ。
申し訳ない、面目ない、みっともない・・・・。

 

「どうしても出ないんです・・・・。」

 

まだ一週間にはならないと思うが、それに近い。

 

まったく便意をもよおさないままに日々が過ぎ、
でもその日、久々の便意^^v

 

ところが出ない・・・・。

 

トイレで粘ること30分猶予・・・・・。
それを朝から3度繰り返し・・・・。

 

諦めて病院に電話する。

 

「ここまで来ているのに、出ないんです」
「手袋してオイルとかで肛門を刺激するとか・・・・」
「便が固くなっちゃってるような気がするんです」
「あんまり力みすぎて痔になっちゃってもいけないし・・」
「浣腸も効果的ですか?」
「そうねぇ、病院に来れませんか?」

 

「行きます^^。トイレで唸っていてもラチあきませんし・・・」

 

 

 

 

「じゃぁ、お尻を出してこっちに向けて横になって」

 

看護婦さんが手袋をしながら言う。

 

(お尻を刺激してくれちゃうわけ?なんか恥ずかしいし・・・)

 

 

「ちょっと足を曲げてくれる?ごめんね、お尻触るよ」
「はい・・・・・」

 

(うっ、痛いし!指入れてるし!)

 

「これね、そんなに固くなってないんだけどねぇ」
「そぉう?コチコチに固くなっちゃってる感じがするんだけど」
「水分を抜くからどうしても多少は固くなっちゃうのよね」

 

 

肛門を刺激したところで、スムースな排便ができるかもしれない。
いそいそとトイレに向い、粘ること15分・・・・・。

 

 

むしろお尻がびっくりして、
便も引っ込んでしまったように便意をもよおさない・・・。

 

 

 

「浣腸してみる?」
「お願いします」

 

 

「じゃ、もう一度お尻出して横になってね」

 

 

浣腸なんてどれくらいぶりだろう?
子供の頃にしたことがあるような気がするけど感触に覚えがない・・・。

 

 

「はい、できるだけ我慢して、がんばって」

 

 

トイレでお尻に力を入れてしばらく我慢する。

 

耐えられずに排便^^v

かと思いきや勢いよく水分が出ただけで便は出てこない・・・・・。

 

 

出てこないというか、出そうとすると痛くて堪えてしまう・・・・。

 

十数秒くらいの感覚で腹痛が襲い、激しい便意に見舞われる。

が、そのたび、出すことが出来ずに脂汗びっしょりかいて堪えてしまう。

 

 

30分位経っただろうか。

腹痛が襲わなくなったのでトイレ備え付けのボタンを押して看護婦さんにSOS。

 

 

「出ない?」
「うん、痛くて出せない、もうヘトヘトだよ・・・」
「ちょっと我慢してこっちで横になる?」
「横になっても解決しそうもないし・・・、掻き出したい感じ・・」
「やってみる?」

 

 

(え?掻き出してくれるの?いいの?)

 

 

「お尻出して横になってね」
「もう、今日は、こればっかりだね」

 

「ちょっと痛いかも、我慢してよ」
「ごめんね、お願いします」

 

「うっ!(ギャー!痛いぃ~!)」

 

 

「痛いね、口明けるとちょっと楽かも」

「(そ、そうなの!)うぅ~~ぅん!」

「あっ、出た出た!でもちょっとだ、もう少し!」

「うううぅ~んんん!」

 

 

「(げほげほげほっ)大丈夫?ちょっとは出てくるけど・・・・」

 

(看護婦さん、むせてるし・・・・、申し訳ない・・・・・)

 

「あ、ありが、と、あ、あ、あとはと、トイレでやってみる」

 

 

看護婦さんと二人三脚の○んこまみれの奮闘劇を膜にして、

ズキズキするお尻を抱えて三度めのトイレに籠もる。

 

 

もう、ほんのちょっとの刺激をお尻が嫌がる・・・・。

それでもこのまま終われない・・・・・・。

 

 

水洗の湯をかけて刺激したり和らげたりしながら、更に15分。

 

 

敗北感が色濃く、諦めムードが漂いだした、その時!

 

 

激しい便意に襲われ、便が肛門から少しづつ顔を出し始めたではないか!

 

 

今だ、今この時に絶対に決着をつけてくれようぞ!

 

 

 

 

 

 

 

朝からの長い永い闘いはほんの数秒で決着がついた。

5時10分、ほぼ予定通り透析室に入る。

 

 

先ほどの闘いの同士看護婦さんが、こちらに目配せをくれる。

「出たよ、これくらいだ^^v」指で大きさを示し、

 

 

菩薩のように輝いて見えた看護婦さんに思わず合掌する。

 

 

まさか、便秘くらいでこんな苦しい見苦しいことになるとは・・・・・。




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