JR浜松工場で毎年開催されている「新幹線なるほど発見デー」
今年は、ドクターイエローを展示するという。
一方、
蒸気機関車で有名な大井川鉄道が、
今年は期間限定で「機関車トーマス」を走らせるという。
こりゃ、大変だ。
孫を連れて行くに決まってるな。
いよいよ夏本番の7月25日(日)「新幹線なるほど発見デー」
朝から灼熱の太陽が照りつける。
孫は東京からお昼に新幹線でやって来る予定だが、
10:00開場っていうことなので、女房と様子見に浜松駅に向かう。
と、なんと!
会場へ向かうシャトルバスを待つ人たちの長蛇の列、1時間以上待ちだという。
会場に向かうシャトルバスは次々来てるし、その番号はすでに39番だったりするのに。
当たり前のように、タクシー乗り場にも長蛇の列・・・・。
こりゃ、えらいことだぞ。
ドクターイエローに会うためとはいえ、
2歳半の孫が、この暑さと人混みに耐えられるだろうか。
なんて、そんな心配は、どこ吹く風。
東京からドクターイエローのフィギアを握りしめてやってきた孫は、
間近に見るたくさんの新幹線に歓声を上げ、ドクターイエローに目を輝かせた。
「スゴイねぇ、大きいねぇ、長いねぇ」
知ってる限りの言葉で驚きと喜びを伝えようとする。
「ほんとだなぁ、すごいなぁ、大きいなぁ、長いなぁ」
同じ言葉でしか返せない・・・・・。
そうして一週間、ドクターイエローは孫とじぃじのヒーローになった。
次の土曜日は、パパが東京から駆けつけた。
そう、機関車トーマスに乗るのだ!
トーマスはもうすでに予約でいっぱいだ。
もちろん、ずっと早くに予約は取ってあるが、待ちきれず、朝早くから大井川鉄道へ向かう。
新金谷駅には、発車を待つトーマスと黒山の人だかり。
そのトーマスの本物ぶりに大人げなくわくわくする。
パパもママも、もう大はしゃぎだ。
じつは、じぃじとばぁば、トーマス走り始めに様子を下見に来ているのだ。
正直、既存の蒸気機関車にトーマスの顔をくっつけただけ、くらいに想像していた。
それが、ご覧の通り、まったく「ほんもの」なのだ。
テレビで見るトーマスより「ほんもの」なのに言葉を失うほど「ほんもの」なのだ。
パパとママと孫と存分に写真を撮り、トーマスに乗り込む。
なんと!
冷房なんてない、椅子は古い狭い昔の客車のまま。
蒸気が沸き上がる、警笛が鳴る、真っ黒い煙が舞い上がる、
さぁ、しゅっぱつしんこう!
窓をいっぱいに開けて、全身に風を受けてトーマスは行く。
トンネルだ!まさか!
案の定、黒いススが開け広げた窓から車内に躍り込む。
だけど、平気平気、それも蒸気機関車の醍醐味だ。
沿道には、手を振る人の波波波。
道の駅の露天風呂からは裸のおっちゃん達が並んで手を振る。
茶畑に働く老夫婦が仕事の手を休め、腰を伸ばして手を振ってくれる。
車を道端に停めた撮り鉄のお兄ちゃんお姉ちゃんもにこにこ顔で手を振る。
嬉しくて窓から落ちそうなくらいに乗り出して手を振り返す。
ディズニーランドのウエスタンリバー鉄道よりホンモノだ。
お弁当は、もちろん「トーマス弁当」が予約してある。
トンネルでススをかぶりながら、大井川沿いの景色に見とれながら、
弁当を頬ばる蒸気機関車トーマスの旅。
旅は楽しく、弁当は旨いに決まってる。
あっという間に終点の千頭駅。
普段はひっそりしている駅が人でごった返している。
ここには、蒸気機関車「ヒロ」が待っている。
じぃじとばぁばも孫を借りて記念撮影。
ヒロは走らないが、D51を改造して作ったのだそうだ。
これもホンモノで、嬉しくてつい顔がほころんでしまう。
「トーマスがシュッシュッって走ったねぇ、トーマスに乗ったねぇ」
孫は次々に多くの言葉を吸収して感情を伝えようとする。
機関車トーマス、ヒロ、そして新幹線ドクターイエロー、
部屋の中のおもちゃたちが大自然の中でその姿雄々しく孫の前に躍動した。
明日から、また部屋の中のおもちゃに帰ってしまうが、
きっとまた来年も会えると信じてヒーロー達と夢を膨らませてもらいたいものだ。