60歳定年を考えている

60歳定年に向けてカウントダウンの年を過ごしている。

 

学生の頃、社会に出たら、ひとつの企業に勤め上げ、転職などせず、

適齢期には愛する人と結婚もし、子供も何人か授かり、夫婦仲良く暮らし、

子供はすくすく育ち、幸せに定年を迎え、穏やかな老後を過ごす。と、

漠然と想像していた。

 

その定年を控えて、来し方を思ったり、行く末を案じたりしている。

学生の頃に漠然と思い描いていた未来は、

残念ながら30歳で転職はしたものの、

52歳で透析に陥ってしまったものの、

まぁ、おおむね良好な方向でここまできているように思う。

 

25歳で、それまで6年つきあった女性と結婚し、子供は3人授かり、

3人ともすでに学校を卒業し、2人は結婚もし、孫も2人授かっている。

 

仕事の方は、30歳で転職したが、転職先に恵まれ、

様々な経験を積ませてもらうことができた。

 

ただ、努力が足りなかったのか、努力の方向が間違っていたのか、

それとも能力が足りなかったのか、何かを成し遂げられることもなく・・・・・。

 

いつも思っていたことは、「明日のため」「未来のため」ってこと。

 

今日のこの苦しさや悩みや困難や苦痛は、

「明日のため」そして、その先にまっている「未来のため」に、

今与えられている試練なんだ。

 

今、この試練から逃げてしまっては、

明るく楽しく充実した「明日」も「未来」も自分の手には入らないんだ。

 

そう思って、歯を食いしばり、ひたすら前に向かって来たように思う。

人に負けまいと必死に走って来たように思う。

 

ただ、先に書いたように、たいした成果は上げられなかったけど・・・。

 

そして、思い描いていなかった「病」=「腎不全」のこと。

 

それを告げられた時は絶望でしかなかったが、

絶望の中で立ち止まらざるを得なかったことが、

 

「明日」や「未来」でなく、

「今」や「足元」を見つめる切り替えを与えてくれたんだと、

今振り返ると、絶望が感謝の気持ちに変わる。

 

そうして、思い描こうとしている「今」や「足元」のこと。

 

世の中は、いつの間にか、55歳定年から60歳定年へと変遷し、

そして65歳定年へと向かっている。

 

働かせてもらえるんなら65歳まで働かせてもらえばいいじゃん。

って、多くの人が口を揃えて言う。

 

なぜ?

もういいじゃん、充分働いてきたじゃん。

 

と思うのだが、大きな声で言うと批難を浴びそうで・・・・。

 

「足元」を見てみると、

 

透析になってしまってから、仕事の最前線からは退いてしまったが、

それでも毎日降りかかる火の粉は振り払わねばならず、

 

その上、月・水・金曜の夜は透析で自由は利かず、

火・木曜の夜なら空いているからって仕事や用事を引き受けちゃったりして、

ウィークディの気分はがんじがらめ状態・・・・・。

 

それに、透析の日は午後3時には仕事を引き上げさせてもらっているわけで、

それも後ろめたい気持ちを引きずっていたりする。

 

それらから解放されたい。

 

「今」思い描けることは、

 

1.キャンピングカーが欲しい

キャンピングカーで全国の旧知の友を訪ね廻りたい

2.ログハウスが欲しい

自然の中のログハウスでゆったり過ごしたい

3.あこがれの土地に住みたい

京都、奈良、北海道、沖縄に住んでみたい

あこがれの土地を日々散策したい

4.ディズニー三昧したい

浦安に住んで毎日ディズニーランドに行きたい(働くのもいい)

5.ライブ活動を充実させたい

毎回楽しいライブ活動を永く続けていきたい

6.畑の収穫を楽しみ、魚釣りの収穫を楽しみたい

自分が食べるだけの食料(野菜や魚など)を自分で調達してみたい

 

透析を抱えながら、果たしてどこまでできるのか?

いや、そんなこと、ほんとうに本気か?

女房が反対しやしないか?

 

お金がないじゃないか、

それらを実現するために、もう少し働いてお金を貯めて・・・

なんて考え出しかねなくて。

 

だけど、透析患者の余命は9年だって統計が出ているぞ。

もうじき丸7年が過ぎようとしているぞ。

急がないと、思い描いたことは全部「悔い」を残すことになるぞ。

 

 

60歳になったら、

継続雇用で65歳まで働かせてもらって、

その間に少しでもお金を貯めて、

65歳になったら、

週3日くらいアルバイトなんかして、

図書館通いしてみたり、ボランティアしたり、

健康のために、畑仕事とか覚えて、毎日土と暮らし、

・・・・・・・・。

って、

それじゃ静かに老いさらばえて消えていきましょうってこと?

 

 

60歳定年に向けてあと9ヶ月、

とりとめなくカウントダウンの年を過ごしている。

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