都会に暮らす孫たちが、
時折りこの田舎を訪ねてくれる。
田舎には、
畑があり、土があり、
野菜があり、虫も居るが、
お芋もある。
お芋を掘ったら、ばぁばに蒸かしてもらって、じぃじとフーフー皮をむいて、
食べ頃の大きさにスライスして、陽に干して、風に当てて、3日もすれば、ほら!
おいしいおいしい干し芋のできあがり。
歯が1本2本顔を見せ始めただけのお口にだって、
むしゃむしゃしゃぶっていればそのうちに、干し芋は馴染んでくれる ^^; から、
お兄ちゃんに負けない大きな干し芋を頬ばっちゃえ。
ゆったりとした時間が流れる。
というか、この時間は、ゆったり流れているんだと気づく。
孫たちの回りに流れる時間の流れに乗って、
いそがず、あわてず、あせらず、せかさず、ゆったり、ゆっくり、の~んびりと。
お芋を採って食べるという、あまりにも日常なのに、
だけど、非日常なのだと。
「じぃじ、おいしいよ」
「ぉお、そうか、そりゃよかった、じぃじもひとつもらうとするか」
「うん、そうだね、こっちのがいいよ」
「そうか、そうか、ありがと、ありがとう」
なにも急ぐことなどない。
急いで大人になることもない。
ゆっくりでいいんだ、ゆっくりで。
孫たちの回りに流れる時間の流れに沿って、
ほんとうは、じぃじばぁばの時間もゆっくりになっていくのかもしれない。