下肢閉塞性動脈硬化症の手術(3)ー地獄は続くよー

「何時?」
「6時半」
「5時間くらいかかった?」


「そうね」
「そんなにかかった…」
「先生、動画見せてくれたけどひどかったって」

想定以上に大きく硬い石灰化で、先生いわく「できるだけ切り開いて取り除いたが、あれはもう石やな」

手術時間2時間の予定が5時間もかかったんだから、そりゃそうとうだったんだろう。

それにしても動画を見せて説明するなんてスゴい時代だ。

「よく見れたな…」
「先生も大丈夫ですかって」
「俺は見れんなぁ」
「見せるって言ってたよ」
「……」

そんなこと言っているうちに付き添い時間にも限りがあり、

「帰るね、大丈夫?」「ありがと」

「早めに痛みに気がつかないと痛み止め切れるよ」一言脅かして帰って行った。

もちろん、最大限の集中力で痛みの変化と向き合う。疲れてるけど眠ってしまうわけにはいかない。と、

キター!

痛みを感じ始めた。

ナースコール!

「どうしました?」
「痛みだした」
「もうちょっと我慢してね、あと30分くらい痛み止使えないの」
「30分も!」

どうかな…30分もつかな…

1分としないうちに激痛に変わった

ナースコール!

「痛い~!」
「ごめんね、我慢してね」

深夜に孤独な闘いになってしまった…

う~ん、う~ん、のたうち回る、いや、手術痕が痛くてのたうち回れない。じっと唸る。う~ん、う~ん…

個室で良かった、ひとりで大声でうなる。大声出したほうが痛みをごまかせるような気がした、

これを30分も続けるのか、まいった助けて、勘弁してくれ~

昨夜、深夜に看護婦さんを呼ぶ声が廊下を渡って聞こえていた。

「看護婦さ~ん、助けてくださ~い、看護婦さ~ん」

何度も何度も

あの人は今夜も助けを呼ぶんだろうか、ご一緒しましょうか

「看護婦さ~ん、助けてくださ~い、30分経ちましたぁ」

座薬を入れてもらった、助かった…

つらかった、また汗びっしょりだ。でも今度は自分でふくしかないか。

それともこれも助けてくださ~い汗びっしょりです~って呼ぶか?

(つづく)

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