サクラ切るバカ

サクランボが赤く色づき始めると、そわそわする。

放っておけば、早起きの鳥たち(ヒヨドリだと思われるが…)が、群れで襲い来て、あっという間に食べつくしてしまう。

今年は、まだ充分に実っていないうちから、赤くなった部分だけつついていくという行儀の悪さ…

コロナ前には、がんばって全体に鳥避け網を被せて鳥と闘った。

が、何の剪定もせずに放ったらかしの木は、僕の身長をはるかに超える高さになり、枝は前後左右好き勝手に伸び放題で、全体に網を張るのは困難極まりなく、無理をすれば転んだりして危険そうだし、努力もしない前から諦めムード…

そこで、鳥が嫌がるかもしれないものを想像を働かせて(何の根拠もないが…)、ピカピカ・キラキラ・ユラユラ・ヒラヒラ・グルグルするものを木に括り付けてみた。

これで鳥たちは嫌がってサクランボに近づけないだろう。と思ったのもつかの間…、それでもその日くらいは警戒したのか近づかなかったようなのだが、翌日にはきれいさっぱり平らげていってしまった…。

まだ、もう2~3日かなぁと収穫の様子をみているうちに、きれいさっぱりだ!去年もそうだった。

もう1~2日待て、上半分はあげるから下半分は人間様に残せ、とあれほど言ったのに、全部だ!今年も全部だ!人間様は2~3粒摘まんだだけだぞ!

悔しくて、情けなくて、怒れて、哀しくて…

来年はお前たちにはやらん!1粒もやるもんか!

見てろ!木の高さや奥行きや幅を整えて、来年はきっと鳥避け網を全体に被せてやる!

勢いでサクランボの木をざっくり切った。

サクラ切るバカ、梅切らぬバカ…
剪定に適した時期や程度というのがあることは承知しているが、そんなこと言ってると気持ちが冷め、面倒くささが顔を出して、手を付けることなく来年を迎えてしまいそう。そして来年も鳥に負けてしまうのが目に見えているので、すぐに切った。

切り落とした枝葉を片付けながら、ちょっと切り過ぎたかなとドキドキした。どうか枯れないでがんばって来年は少しでいいから美味しいサクランボを実らせてくれ。

大人げないなぁと思いながらもサクランボの木に手を合わせた。

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