悲惨なアイスカフェラテ


コンビニのコーヒーをこぼしてしまった…

コンビニのコーヒーは、あまり買うことは無いが、まったく買わないわけでもないので、要領が判らないわけでもないのに、

こぼしてしまった…。


冬なのに、アイスカフェラテを買った。

「そちらのカップをお持ちください…」

ホットコーヒーはレジで言えば容器を出してくれるのに、アイスは自分でアイス用の容器をレジに持って来いと言う。冷凍庫の置き場所の都合なのか?

まぁ、それは良いとして…

「カフェラテは、こちらのサーバーでお願いします」
2つあるサーバーの片方はカフェラテが使えないサーバーだという。

まぁ、無事に操作も済み、めでたくアイスカフェラテが容器におさまったので、容器のフタをするべく、サーバーから容器を取り出し、サーバーの横に置いた。

容器のフタが割と固いので、両手でフタをグッと押した。と、

ツルンと容器が滑り、容器がひっくり返って、コーヒーも氷も辺りにぶちまけられてしまった!

しまったぁ!

慌てて容器を取り上げたが、時すでに遅く、容器には1cmくらいのコーヒーと氷がふたつほど残っただけ…

「すみません!コーヒーをこぼしてしまいました…」
レジのお姉さんに声をかける。

こんな時に限ってレジは混んでいて、お姉さんは手を離せない。こちらをチラッと見ただけで
「少しお待ちください」
「すみません…」

こんな時に限って、次々とお客さんはコーヒーを購入し、コーヒーサーバーのところにやってくる…。

カフェラテ側のサーバーの周りには、コーヒーがぶちまけられて、棚からぽたぽたと床にも広がり始めている。その前で、ほんのちょっとコーヒーが入った容器を大事そうに抱えた年寄り夫婦が所在なさげにすまなそうに立ち尽くしている。

迷惑そうな、さげすむような、バカにしたような、冷たい視線が向けられる。ひたすらにうつむき加減に耐える。

やっとレジのお客さんが途切れて、レジのお姉さんは、こちらに一瞥もくれずにバックグランドに駆けて行った。掃除用具を取りに行ったんだろう。

ほどなく二人のお姉さんが掃除用具を持って出て来て、何を言うでもなく掃除を始めた。

「すみません…」
「…大丈夫ですよ」

手伝えるわけでもなく、帰っちゃうわけにもいかず、ただたださらされるようにその場に立ち尽くし謝るばかり…

ふと、期待が頭を横切る。
待たされているのはひょっとして、掃除が済んだら、新しいコーヒーを用意してくれるのかも…

ディズニーランドでは、子供が落としてしまったソフトクリームを片付けてくれた後、新しいソフトクリームを用意してくれたっけ

だけど、そんなわけは無く…

概ね掃除が済むと
「いいですよ」とお姉さんが言う。

え?なにが『いい』いいのか…

家内と顔を見合わせ、無言で、帰ろうと意思疎通して

「すみませんでした、ご迷惑おかけしました」

すごすごとコンビニを後にした。

コーヒーは飲みそびれるは、恥ずかしい思いはするは、情けない思いはするは、むなしく期待は外れるは、自分のポンコツ具合に後味悪い悲惨なアイスカフェラテでした。

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