「朝ご飯よ、起きてね」
「起き上がるの怖いんだけど…」
看護師さんの介助でベッドに背中も頭も着けたままベッドごと起き上がる。ぁあ、解放されたぁ〜、術後の夜から解放されたぁ。
が、食欲がわかない…。とりあえず何か水分を口に含みたい。お味噌汁をひと口飲む。ぁあ〜口が喉が潤う〜。一昨日の夜から何も口にしていない、味噌汁が旨い!この勢いでご飯も口に含む。噛む、とにかく噛む。そして味噌汁で流し込む。ご飯半分と味噌汁、あとは箸がまったくすすまない…。
さぁ、透析だ!が、朝から情報が二転三転している。車椅子で行くとか、ストレッチャーに乗せて行くとか、透析室からは8:30分に来るように言われているとか9:00でないと行けないとか…。結局、ストレッチャー対応人数が揃った9:00過ぎにストレッチャーに乗せられて透析室へ。
透析室でアクシデントが起こった!
ストレッチャーから透析ベッドへ移される時、ひとりの看護師が右膝の手術痕に手を掛けて体重を支えて引っ張ってしまった!
「ウっ!いったぁー!」
激痛が走る。
今回の術後には痛みが少なくて安心していたのに、ここへきて…激痛が…。透析始まってもしばらく唸ったままだった。
それでも膝の痛みは治まってくる、大事には至らなかったようでひと安心だ。が、背中や腰の痛みが始まった。
「腰背中が痛い…今日は4時間にして…お願い!」
看護師さんに懇願する。
「先生に聞かないと…」
いつもそうだ、先生にって言ってそのままになる。
「じゃ、言って、先生に言って!」
今日は食い下がる。5時間耐えられない…。
「自分で言ったほうが…」
回診を待って先生に訴える!と、データを見てあっさり4時間で良いと言ってくれた。データからの判断で4時間がダメなわけが無いと確信はあったので、言い争いみたいにならなくて良かった、胸を撫で下ろした。
透析は4時間に変更されたけど、腰背中の痛みがなくなるわけじゃない。時間経過と共に痛みは増していく。
ベテラン看護師さんが背中をさすってくれたりして、多少の気晴らしをしてくれる、ありがたい!
「あと、1時間ね」
「りょうかい、ありがとー!」
と、治まっていた手術痕の膝が痛み出した。
え?どうして?…当たったわけでもないのにどうして?
と、なんだか気持ちワルいような吐き気がするような…ヤバいかな、吐き気はヤバいな…
声を張って看護師さんを呼ぶ。直ぐに血圧が計られる。顔色もワルいという。血圧が低下していると看護師さんがバタバタしだした。透析の除水を止める、お水を戻す…。
僕は膝の痛みと吐き気でもうどうしようもない…。それにしてもこの膝の痛みはどうしてだ…。腰背中の痛みも限界だ。ベッドの柵を握りしめて体を横向きに起こして、ベッドに顔を擦り付けて、早まる呼吸を深くしようと努めながら、うんうん唸り声をあげてしのぐ…、最悪だ。
「大丈夫?お水戻してるから楽になるからね」
看護師さんも声をかけてくれる。
それでも何分くらい経ったか、吐き気も膝の痛みも引いてきた。ぁあ良かった、生き返った…。顔色も血圧も戻ってきたようだ。
4時間の透析を終えて、またストレッチャーで病室に戻る。
4時間にしてもらったが、それでも遅くなってしまった昼食が出される。が、食欲がわかない…。こりゃ困ったぞ…。
それでも次はリハビリが待っている。
(つづく)
