腎臓がダメだと言われたけど、透析におちいるのがイヤで、
減塩と腹八分目で、ダイエット生活を始めていた。
多少の挫折はありながらも、体重が落ちていくという効果を見せ始めていた。
それは、わずか1kgに過ぎないのだが、明るい兆しに思えて、
ダイエット目標10kgを公言するようになった。
すると、思いがけない働きかけがきた。
「チベット体操をやりましょう」
「チベット体操?」
「はい、私が毎日お宅へ訪問して指導します」
チベット体操って、
いかにも怪しい。
チベット体操は、若返りの体操で、ダイエットが目的の体操ではないが、
ダイエット効果も必ずあるはずだ、と彼は言う。
彼は、その当時はそれほど親しい人ではなかったが、知らない人ではなかった。
おおまじめな気持ちが彼を熱心にさせていることは伝わった。
でも、チベット体操って、
いかにも怪しい。
でも、来る日も来る日も誘われ、熱心さに負けた。
体操するのが体に悪いと言うこともないだろうし。
「わかった、ありがとう。僕が通わせてもらうよ」
週に一度、教室を開いているという。
自宅から車で30分強の距離だし、こちらから通うことにした。
こちらから通えば、万一断るときも断りやすいしね^^;
初めての日、おそるおそる教室になっている公民館の扉をたたく。
なんと!
そこには老若男女20人くらいが体操の準備をしている。
「こんばんは。初めまして。よろしくお願いします」
「やぁやぁ、よく来てくれました。楽しくやりましょう。」
彼は、レオタード姿で、満面の笑顔で迎えてくれる。
よけいに怪しい・・・。
ダイエットの策として、減塩と腹八分目というのは、
守りの策でしかなく、必死に耐えている悲壮感が強くて、
ダイエットに向けて立ち向かっているような、攻めているような策が欲しかった。
このチベット体操を、
一週間に一度の教室に通い、家では日課にすることによって、
それが攻めの策になるんじゃないか、と思えた。
チベット体操は、以下の5つの体操で成り立っている。
第一の体操:手を水平に広げて、右に回ります。
第二の体操:仰向けに寝て、足を垂直に上げます。
第三の体操:立ち膝で、上体を後ろにそらせます。
第四の体操:お腹を上にして、机の形を作ります。
第五の体操:お尻を持ち上げて、逆v字を作ります。
これに丹田呼吸という深い呼吸法を加えている。
息を深く吸いながら、あるいは吐きながら上記の体操をするのだが、
これがなかなか難しい。
いや、体操は難しくないが、
息をしながら、しかも深く長い息をしながら、というのが難しい。
日頃、浅い呼吸しかしていないことを思い知る。
最初は、とてもついていけなかったが、
それでも週に一度教室に通い、家でも毎日行い、
呼吸法は常に、車に乗っている時も、仕事している時も意識しているうち、
チベット体操をすることが無理の無い日課となり、
体操後の爽快感を味わうようになっていった。
週に一度、教室に通えたというのも続けられた要因のひとつかもしれない。
そして、驚くべき体重の変化を生み出していった。
一年半で、20kgのダイエットに成功したのだ。
しかも、これほどのダイエットをすると、
頬とかあごとかがしわしわにしょぼくれちゃったっりしがちなのだが、
そんなこともいっさい無く、むしろ若返ったかのように肌もハリを見せていた。
私はうれしくて、それからしばらくは、
チベット体操の教室が開かれるたびに、スタッフとして教室に参加し、
こんな風に取り組みました。と求められるままに体験をお話したりした。
(つづく)
つづきは、チベット体操を私なりに詳しく解説します。
呼吸法 第一の体操 第二の体操 第三の体操 第四の体操 第五の体操
チベット体操の本は、これしかありません。 この本の内容がすべてです。 いろいろな方が、いろいろに解釈して、 元は、この本がすべてです。 もっとも、 私もチベット体操を教えてくれた方と チベット体操にご興味を持たれたら、 |