余暇生活開発士という資格をとるために、『余暇』のことを勉強したことがある。
しかし、経済状態の浮き沈みと競争原理の中で、
いつの間にか、余暇を考えることと同時に、資格も消滅してしまったようだ。
が、その時に勉強したことは、自分のこととしてずいぶんな刺激になった。
60歳で定年退職して、その後は毎日が余暇だ、と思ってきたが、
継続雇用とかいって、年金支給の帳尻合わせのために、
65歳まで働かざるを得ない社会になってきてしまっている。
それでも、
私は、60歳定年としてサラリーマン人生を終えることを前提に
その後の余暇を考えたいと思う。
厚生労働省の平成24年簡易生命表で平均寿命を見てみると
男:79.94歳 女:86.41歳
やはり女が強い! (ってそういう考察ではなく・・^^;)
平均寿命:80歳 (計算が厄介になりそうなのでエイヤっと^^;)
人が働く時間(労働時間)は、以下のように想定してみる。
労働時間:10時間/日 (まぁだいたいの平均ってことで)
250日/年 (労基法では、とか言わないで・・・)
40年(20歳~60歳) (死ぬまで働く!とか言わないで)
生活のために必要な時間は、以下のように想定してみる。
生活時間:10時間/日 (寝るとかご飯食べるとか歯を磨くとか)
そういう前提で人の生涯の余暇時間を計算すると、
生涯時間 80年×365日×24時間 = 700,000時間
労働時間 40年×250日×10時間 = 100,000時間
生活時間 80年×365日×10時間 = 300,000時間 ————————————————————————————-
生涯余暇時間 = 300,000時間
人生80年の一生のうち、
生活のための用事もないし、働きもしない時間は、30万時間ある。
それが、60歳定年退職後はどうなるか、という計算をすると、
生涯時間 20年×365日×24時間 = 180,000時間
労働時間 0時間
生活時間 20年×365日×10時間 = 80,000時間 —————————————————————————————-
退職後余暇時間 = 100,000時間
なんと、定年退職後にドサッと待っている余暇時間(10万時間)は、
20歳~60歳まで40年間働いた時間と同じだけあるのだ。
40年間働いた時間ですよ、膨大である。
それを、誰とどうやって過ごしましょうか?
じゃぁ、人が生きていくために何が必要かというと、
以下の4つのモノあるといわれている。
1.生きがい(やりがい)
2.存在場所(居場所・人間関係)
3.お金
4.健康
もっといっぱいあるのかもしれないけど、
まずはこの4つを定年退職までに算段しておく必要がありそうだ。
特に会社勤めの場合は、
そういったものすべてが会社に用意されていて、会社から否応なしに与えられる。
良い会社は社員が思いっきり働けるように、これらをキチッと用意するのだ。
それはそれでお互いに幸せなことなのだ。 が、
そこに甘んじて、与えられることが当たり前になってしまっていたりすると、
会社という枠組みからはずれた時、
文化的・精神的な自己実現の手段を見つけることができなくってしまう。
飼い慣らされた・・・・・・、というわけで。
そんなこと言ったって、
今日もお父さんは人事異動で、新しい部署(存在場所)で、
目標(やりがい)を動機付けられちゃったりして、
会社の健康診断(健康)で、”要検査”なんて言われて、
もらったばかりの給料(お金)で、帰りに同僚(人間関係)と
居酒屋(居場所)なぞに寄って、「てやんでぇ!」とか、
空いばりしちゃったりしてるんだなぁ。
一方で、
人が自分の時間「余暇時間」を楽しく有意義に使うためには、
「余暇能力」が必要だ、とされている。
「余暇能力」とは、文字通り余暇を過ごすための能力なのだが、
それは、次のステップを踏む。
「享受」→「参加」→「指導」→「創造」
つまり、
まずは、見たり聞いたり受け入れて(享受)、
つぎに、行動を起こしてやってみて(参加)、
さらに、習熟度を上げて教えたり育てたりして(指導)、
ついに、作ったり生み出したりする(創造)。
そして、「指導」及び「創造」の域に達したモノだけが、
「いきがい」として毎日続けられるモノなのだそうだ。
さらにそれぞれのステップが、本当に楽しめるようになるまでに
必要とする時間もバカにならない。
「享受」それは、観る、聴く段階。
ほんとうに楽しめるようになるためには、少なくても、
1,000時間 3年は必要
「参加」それは、する、活動する段階。
ほんとうに楽しめるようになるためには、少なくても、
2,000時間 5年は必要
「指導」それは、教える、育てる段階。
ほんとうに楽しめるようになるためには、少なくても、
5,000時間 10年は必要
「創造」それは、つくる、産み出す段階。
ほんとうに楽しめるようになるためには、少なくても、
5,000時間以上は必要
と言われている。
大変だ。
60歳定年後の余暇時間を全部使っちゃっても「指導」「創造」の域に
達することができないかもしれない・・・・。