心臓バイパス手術(4)ー手術は無事に終わりました

心臓バイパス手術を受けた。

 

「具合はどう?」

真夜中だったろうか、目が覚めた。

朦朧とした意識の中で薄明かりを認めた瞬間、激痛が走った。

気がする。

「もう少し、眠りましょう」男の人の声だ。

痛み止めなのか、麻酔なのか、また眠ってしまったようだ。

 

どのくらいの時間が経過したのか、また目が覚めた。

手術は終わったってことなんだな。

 

「痰を取りましょう」

朦朧としていたが、痛みで体が弾んだような気がした。

「右足は動かしちゃダメですよ、動脈を止血してますからね」

「(わかった)」

 

声が出せない。何かがのどにつかえている。

「のどの管を抜きますね、深呼吸して」

深呼吸?胸が圧迫されてるみたいで深呼吸ができない。

 

必死に試みる。が、できない。

「はい、管を抜きますよ、深呼吸続けて」

何かを吐き出すような感覚で管が抜かれたようだ。

「はい、抜けた。楽にして下さいね」

 

意識が次第にはっきりしてくる。が、

体が動かせない。

 

「大丈夫?」

「よくわからない」

「手術は無事に終わりましたからね」

「ありがとうございました」

 

そうか、終わったか、無事に終わったか、良かった。

 

痛いんだか、苦しいんだか、

呼吸が切ないようで、ちゃんと言葉が発音できていない。

 

今、何時になるんだろう。

 

つづく

 

 

 

 

 

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