市役所の社会福祉課に障害者の申請に出向く。
そう、人工透析患者は、1級の身体障害者なのだ。
身体障害って、とっても特別なことで、普通では与り知らないこと。
そう思っていたことが我が身に降りかかってきた。
でも、
足が不自由なわけでも、腕が無いわけでも、目が見えないわけでも、
言葉がしゃべれないわけでも、何でもない。
ぱっと見た目には健常者となんら変わらなく見えているはずだ。
社会福祉課のカウンターの前で、なんとなくおどおどしていると、
「ご用は?」
と職員のお姉さんが声をかけてくれる。
おいおい、シャキッとしろよ。思わず、自分を叱咤する。
「障害者の手続きをしたいのですが・・・」
「それでは、こちらの申請書にご記入いただけますか」
『身体障害者手帳交付申請書』
さらに、病院で聞いて持参した以下の書類を添えて、申請を完了する。
・指定医師の診断書・意見書
・本人の写真(縦4cm×横3cmで、脱帽して上半身を撮ったもの)
・印鑑
諸手続きに一ヶ月くらいかかるのだ、という。
なににそんな期間が必要なのか疑問に思ったが、おとなしく帰った。
一週間ほどして、市から呼び出しがあった。
障害者手帳が発行されるという。
すばらしい!早いじゃないか!
障害者手帳の発行と共に、
いろいろな助成があることの説明がなされ、その場で必要な手続きを済ます。
・NHKの受診料が半額免除になる申請
・自動車税の減免あるいはタクシーチケットの受給
(障害者の「足」を補償するような意味合いらしい)
・重度障害者医療費助成金受給者証の受給
(この時点では、これと「健康保険特定疾患療養受療証」の違いが解らない・・・)
小冊子によって障害者に対する様々な保障の説明を受ける。
医療費を負担してもらえるだとか、何かが半額になるだとか、
そういうものを並べられればなんだか嬉しかったりする。
不謹慎かもしれないが、なんだか得したような気持ちにもなる。
が、すぐに一方で、
それだけの補助を受けるということは、社会に負荷をかけるということで、
社会の世話になり、施しを受けなければならない負い目を感じたりもする。
だけど、もうどうすることもできないことで、
感謝して懸命に暮らすことが使命なんだろうと思ったりする。