ディズニーキャスト(その3)

ディズニーキャストの面接試験を受けてきた。(その1はこちら⇒

ディズニーリゾートで働く?
でもそれは実際のところ、現実からは遠く離れた夢物語にすぎない。
と思っていた。

第一、浦安あたりに住まなくちゃできる話ではない。

自分が生きていく場所は磐田と決めて生きてきているわけで、
ここで仕事もしているし、家も建てたし、子供たちも育ててきた。
生活の基盤も仕事の基盤もここにあるわけで、ここを動けるはずがない。
浦安に住むなんて非現実的な絵空事に過ぎない。

それに、
ディズニーのパーク内で働いている人が若者ばかりじゃないとはいえ、
やっぱり多くは若者で、おっさんの姿なんてめったに見たことない。

しかも、
ほとんどがバイトなわけで、生活を支えられる収入は得られないだろうし、
なにより、大の男がそんな不安定な生活をするわけにはいかない。

ず~っと、そう思ってきた。

それでも、
定年が近づいて、定年後に何をしようか、何がしたいんだろうかと、
定年を迎えるにあたり考えた定年後の暮らしと遊びの中のひとつに、
「ディズニー三昧をする」という思いが顔を出してきた。

浦安あたりに安くていいのでアパートを借りて、
ディズニーの年間パスポートを買って、
月に一週間くらい毎日毎日、今日も明日も明後日も、
ディズニー、ディズニー、ディズニー、時々孫(浦安に孫が居るので)、
そういう暮らしを遊びをしてみたい、と。

だけど、そんなことは、お金もかかるし、
ディズニーのために浦安に引っ越すだなんて笑われちゃうし、
とても現実的・常識的じゃぁないなと思いながらのことで、
いざ定年退職したからといって動き出すわけもない。

できない理由を並べたてて、
どうだ見てみろこの通りだと、並べた理由に満足・納得してしまう。

できない理由を並べるんじゃなくて、できる方法を考えろ、と。
そう、教わってきたし若い人に教えてもきたはずなのに。

そうして定年退職して1年半、
何もしないでいることにも慣れて、何もしないでいることを享受して、
何とはなしに感じていた後ろめたさみたいな罪悪感みたいなものも
ほとんど顔を出さなくなった今、

何もしないでいることが、もったいなく思えてきた。
並べたてていたできない理由も理由のうちに入らなくなってきた。

ほんの少しの壁をちょいと破るだけで、ディズニー三昧は手に入る。

そうだ、ディズニーで働いて、ディズニー三昧だ!

つづく

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