バイパス手術の顛末4

かぼちゃの馬車がかぼちゃに戻る頃合、座薬を入れてもらって眠りについた。が、

眠りは浅く、一時間ほどで目が覚める。思わぬ難敵が現れた。

尿道に刺さった管だ。
尿は出ないのだが足を動かすたびに管が動いて尿意を誘う。そのたび冷や汗が吹き出してからだ中汗びっしょり…

ナースコール!
「痛いわけじゃないけど…」
「オシッコをしようとするみたい…」

管が動かないようにちんちんの向きを変えてもらったり…が、何度も冷や汗を繰り返した。

その後もナースコールは続き、腰を浮かせてもらっり、右足を浮かせてもらったり、体を傾けてクッションを支ってもらったり、ドレーンの血たまり袋を動してもらったり…

浅い眠りと、冷や汗と、ナースコールを繰り返し、いつしか朝を迎えた。

痛みがくるか、警戒する。
ナースコール!

「おはよう!」
「やっと朝ね!」
「どうしよう、座薬かな」
「痛い?」
「痛くはないけど…」
「朝から透析があるもんね」
「途中で痛くなっちゃたまらんし」

座薬の判断を下した。これで備え万全だ。

朝ご飯のため、少しだけベッドを起こしてもらう。寝姿勢から腰が解放されたような安堵感。

ご飯をおにぎりにしてもらい、どうにかこうにか朝ご飯を済ませた。

どうやら長い永い闘いは夜明けとともに終わりを迎えたようだ。

闘いはストレッチャーで透析室へ
さらには歩行器でリハビリへ

つづく

“バイパス手術の顛末4” への2件の返信

  1. こやまん 透析室入る迄のコメント読ませて頂いております。大分痛い想いをした様ですね。前回も述べましたが、私の場合は術中・術後の痛みは殆どなく退院しましたが、退院後に術後治療で一番副作用の少ない抗がん剤治療を4週服薬して2週休薬を4回繰り返します。 そして膵臓全摘出なので当然糖尿病、1日4回インスリン注射、その度に血糖値測定が今後ついて回ります。共に様々な副作用が有り、一番苦労しているのは食い合わせが悪いと即下痢、服薬中は食欲無し。 抗癌剤は来年1月末で終了なのでその日迄薬との闘いです。

    1. 大石耕三さん、こんにちは。

      抗がん剤の治療は大変だと、人づてに聞いてはいます。が、何事もその場に臨んでみないと本当の大変さはわかりませんね。
      私もなるべくリアルにボクの”その場”を表現しようと努力はしているつもりです。が、リアルにすればするほど恥ずかしい面も多くなり……

      大石さんの闘いもまだまだ続くようですが、私も3ヶ月くりで元に戻るだろうと先生に言われています。お互い、がんばりましょうね。

      今後もまた遊びに寄ってやってください。ありがとうございました。

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