静かにしてもらえませんか

血便が出て入院している。4人部屋でびっちりカーテンを閉められているので、どんな人だろうと人間観察…人間想像してしまう。

隣の人が退院していき、透析に行っているうちに新しい人がはいってきていた。これがさたがしい。

何やら仕事を持ち込んでるようだ。想像するところ、あっちのカバンを開けてガサゴソ、こっちの紙袋をあさってガサゴソ、備付け戸棚の引き出しをガタガタ、とにかくず~っとやかましい。遠慮しながらやっている様子も感じられない。

この人に限らず、大部屋の迷惑な隣人は、挙げればキリがない。

例えば、

いびき、おなら、咳、痰、くしゃみ…もちろん生理現象だから仕方はないが、少し控えようよ、遠慮がちにしようよ。

電話…小さな声で手短に要件だけで済ますならまだしも、たいていは大声になり長話になり、笑い声なんかあげたりする。電話は最初から談話室でしようよ。それと、スマホの操作音はオフにしといてよ。

寝言、独り言…これはコントロールできないもののようだけど、同室の人には耐えられない。個室を勧めてください。

看護婦つかまえての長話…忙しい看護婦を必ずつかまえていつまでも長話をする。よくもそんなに話すことがあるもんだと感心してしまうほどに毎回でしかも長い。そしてもっと言えば、話の内容がしょうもない。それは今必要か、聞かされる側の身にもなってみろと突っ込みたくなる。

迷惑な面会者…今はコロナ禍で面会禁止だからさすがに病室に入ってくる面会者は居ず、寂しいが静かでいい。

で、隣のガサゴソの人…2日めになってさすがにこっちのイライラが募り、とうとう静かにしろって言ってしまった。もちろんこのご時世、逆ギレされて虐待されちゃいかんので、慎重に言葉を選んで静かなトーンでね。

「すみませんが、もう少し静かにやってもらえませんか、ず~っとガサゴソガサゴソいってるじゃないですか」とカーテン越しに。

ドキドキしたぁ~!心臓がバクバクいっていて隣のガサゴソより音が大きいんじゃないかと思えるほど…

すると隣の人、「はい…」
え?それだけ?良かったぁ逆ギレは無さそうだ。

その後、息を殺したように静かになった。なんだできるじゃないか、最初からそうしてくれよ。

仕事が進んでいるのかどうなのか知らないが、ここは病室だ、安静にしているところだ。どうしても仕事するなら個室にいけば誰も迷惑しない。

思いきって言って良かったなぁと思っていると、隣の人は、翌日、談話室に陣を構えて資料をいっぱい広げて仕事をしていた。それでも時々部屋に戻ってきてはひとしきりガサゴソやっている。

懲りない人、一難去ってまた一難なのかな…

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