ディズニーへ

2022年3月のこと。
コロナ禍で、ディズニーへ行けなくなって3年めに突入した。

まん延防止等重点措置が解かれ、緊急事態宣言も何の制限も執られていない今、もう行ってもいいんじゃないだろうか、いや、もう行きたい!

たまらず、チケットを購入した。


基礎疾患を持つ高齢者としては、日常的感染予防策を怠らず、なるべくステイホームで、自分を守り社会を守ることこそが求められる姿勢だろうと思うわけで、浮かれてディズニーへ行こうなどもってのほかだと、自らを戒めてきた。

もちろん、毎日ディズニーが賑わっていることも、ディズニーにかかわらずあちこちの観光地に足を運ぶ人が絶えることはないことも小耳に挟みながら、それをなんとなく批判的に受け止めながら。

透析クリニックでは、他県への移動については事前の申し出をして、指定の健康観察表をつけて提出することを義務付けている(貼り紙がしてあるだけだが)。つまりそれは、他県への移動は歓迎されていないと勝手に思っていた。が、逆に言えば、事前申請・健康観察さえすれば他県への移動も構わないととれるわけで、受け取り方ひとつだ。

それに、まん延防止だろうと、緊急事態だろうと、何も発令されていなかろうと、その貼り紙は、ただずっと変わらずに掲示されているだけだ。掲示物に気を留めない患者には届いていないメッセージだ。

だからといって、黙って行こうなどと思っているわけではない。ちゃんと申し出をした。

「どこに行くの?ディズニー?」
ちょっと東京へとでも言おうかと思っていたが、何人かの看護婦さんたちは僕のディズニー好きを知っていて、お見通しのようだ…。
「もういいかなって思ってね」
「そうね…、気を付けて行ってきて」
「ありがとう、気を付けるよ」
「また様子を聞かせてね」
様子とは体調なのかディズニーの様子なのかと思いもしたが…

こんなコロナ禍なのに、透析患者なのに、高齢者なのに、他県へ?ディズニーへ?というような批判の声が聞こえてきそうで…

でもそれは、自分の声に過ぎないのかもしれないとも思ったり…

チケットは、誕生日(4/25)の翌日のディズニーシーで、新しく登場した障害者用のチケットが取れた。他はもうすでに全て売り切れていたから、とてもラッキーだったに違いない。さらに、誕生日だからと、食事も唯一カフェ・ポルトフィーノで予約が取れた。

宿泊も考えないではなかったが、まぁまずは今回は日帰りでサッと行って来ましょうと、家内と合意した。家内にも同様に批判の声が聞こえているようだ…。

そこまで段取りがついたので、いよいよ、ディズニーの新しいシステムの勉強だ。スタンバイパスだとか予約エントリーだとか、コロナ前とはアトラクションやショーへの臨み方が変わっている。家内とネットを検索しまくり情報を入手しどうすれば良いのか見当をつけた。

さぁ、準備万端、いよいよだ、心ははやる。

つづく

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