白内障(6) しょうがない尽くし

白内障の手術に失敗し(その話はこちら⇒)、
目にレンズを縫い付ける手術をした(その話はこちら⇒)。

それは、白内障の手術よりはるかに炎症が大きいらしく、
今度は痛みもするし、耐えられないほどの目の中のゴロゴロ感で、
まったく眠れない一夜をすごし、術後の翌日検診に出向く。

「どうですか?」
「痛みもありますし、ゴロゴロするのが耐えられなくて…」
「炎症が大きいですからねぇ…」
「どのくらいかかりますか?」
「2週間、かなぁ…、がんばって」
「はい、解りました」

術後翌日検診は、予定通り、今度こそ担当医とは別の先生で、
女性で若く、あいさつも対応も気持ちよく、説明も丁寧だ。
ちゃんと説明してくれれば安心して養生もできる。

それにつけても、担当医は眼科の部長だが、
偉くなるとエラくなっちゃうのかなぁ…と、つくづく…

さて、目の痛みは、痛み止めで誤魔化せるのだが、
ゴロゴロがタイミングによってはまったく耐えられず、
目をきつく閉じ、目の周りを両手で押さえて、呻き声をあげ…
5分、10分…
それが、1日、2日…
違和感で目を開け続けていることなどできない。

そのまま、術後4日目の検診。
今度は、予定通り、担当の部長先生だ。

もちろん、あいさつなどなく、無言で目を診て、
何の説明もなく、「次は来週で」の一言で終了…

もちろん、先生の診察の前には充分な検査が行われており、
先生が術後経過を判断するデータは揃っているのだと思われるが、
それにしても、問診の必要はないのか!
患者は痛いだの痒いだのを訴える機会もないのか!
でも、口を開くとけんか腰になりそうで…口をつむぐ。

先の女医先生の「2週間かなぁ、がんばって」の言葉を頼りに、
耐えて養生に励もうと自分に言い聞かせる。

しかし、お会計。
自動支払機の前で思考が止まってしまった。
10万円を超える請求額が表示されている。

はぁ?10万円!
そんなに?!
こっちが払う??!!
こっちが?!(思考が乱暴になってくる)

それでも少し冷静になってきて、
そりゃ1時間以上もかかった手術だから10万円位かかるか、
炎症が大きいっていうんだから手術も大変だったろう、
だけど、こっちだってしなくてもいい大変な思いをさせられているし、
その手術は本来なら必要なかった手術じゃないか、
そもそも失敗したからやらざるを得なくなった手術じゃないか、
誰が悪いんだ!失敗したのは誰なんだ!
こっちの目が動いたからだって?
そんなの想定内の手術じゃないのか、それが医術ってもんだろう!
だんだん腹がたってきて、また思考が乱暴になってくる。

どこに誰に訴えりゃいいんだ、でも、
この後もちゃんと目が見えるようになるまでは診てもらわにゃいかんし、
訴えたって絶対勝てないように医療機関は手を打ってあるだろうし、…
それにしても10万円もかかるなら事前に案内くらいしろよな、…

でも、支払いを済まさなきゃ、
後ろに列で待っている人たちに迷惑をかけるばかりだ。
現金の持ち合わせは無いので、カードで支払いを済ませる。

気持ちの整理がつかず、
付き添ってくれている家内を相手に悪態をついて、病院を後にする。

しかし、悪態をついてもついても事態は変わらず…
炎症の大きい目の容態の快方への兆しは感じられない日が続いた。

右目はほぼつむったまま、手術後1週間、10日が過ぎ、
それでもどうにかゴロゴロが無くなり、3度目の検診。

担当の部長先生の無言の診察。
「ぼちぼちか…」独り言のような診断。
「次は1ヶ月後」それだけ言って診察終了。
僕も「こんにちは、お願いします」と「ありがとうございました」だけ。
それ以上の言葉を冷静に口にできる自信がない…。

そんな僕の態度に対して、
いつもなら間違いなく咎める家内も一言も言わない。
家内もあきれているか、腹を立てているか…。

腹が立ててもしょうがないけど、
勝てないケンカをしてもしょうがないし、
最後まで診てもらわなくちゃしょうがない…。
しょうがない、しょうがないのしょうがない尽くしだ。

それでも、少しづつ見えるようになってきてはいるから、
先生の「ぼちぼち」は「問題ない」ということなのだろう。
そのうち焦点がきちっと合う日はくるのだろう。
自分に言い聞かせて、自分の治癒力を信じて、養生の日々。

それにしても、
メガネは2~3ヶ月後に作り直すようなことが、
手術の説明か何かに書いてあってけど、それまではどう過ごすのだろう?

いろいろ承服しかねるけど、
そんなこと言ったってしょうがないので、先を見ることにする。
まだピントが合わない目で、ピントが合わない先を。

つづく

“白内障(6) しょうがない尽くし” への8件の返信

  1. こやまんさん、はじめまして。
    いつも拝見させていただいてます。
    主人が現在、透析中でそろそろ一年になります。
    そもそも糖尿からのもので、最初にわかったのは視力の低下から
    でした。あれよあれよという間に腎臓の数値が悪くなり透析になりました。
    やはり情報が欲しくて色々な方のブログなどを参考にしています。
    網膜症でレーザーや注射など数年前に終えているのですが、出血をして
    視界が悪く、数か月経過している状況です。こやまんさんのように
    白内障なども心配しているのですが、病院に行ってくれず、とても心配なのですが
    頑固な故、どうすることもできないのが悩みです。
    すみません。初めましてで、長々と愚痴ってしまいました。
    こやまんさんも大変なときですよね。主治医の先生、なんというか。。
    なかなかの先生ですね。うちは引っ越しをして病院が変わり先生がかわって中国の女医さんに
    なったようで、それもひっかかっているようです(差別ではないのですがやはりその人的に。。)
    透析の病院でも変わった初日から一か月間でミスが4回もあり、精神的にも
    参っています。こやまんさんは透析時、ミスなどの経験はありますか?
    移植も考えているのですが、主人は今のところ拒否しています。
    本人が一番つらいのはわかっているのですが、どうにもできず、もどかしいです。
    本当に長くなってすみません。
    またおじゃましますね。目のゴロゴロはやくとれるといいですね。
    お大事になさってくださいね。

  2. 暖かくなりましたね、桜が開花したそうですね。
    花見の時には眼がすっかり治ってると思いますけど、長いですねーー。
    本来15分くらいの手術ですんなり終わるところを長びいてる感じですよね、二重にお金も掛かってるし(#`皿´)
    透析クリニックにも部長と言われてる医師が来てるけど、全然頼りにしてません!!肩書きなんて何だってんだっ!!
    春から初夏の美しい景色を眼が良くなって見られるといいですね

  3. すぅさん、はじめまして、ようこそ。

    糖尿病との闘いは、なかなか厄介だと聞いています。
    私の透析クリニックでの隣のベッドの人は足がありません。
    毎回除水に苦しんでいます。

    旦那さんは、病院に行かない古いタイプの頑固な親父さんなのでしょうか。
    お幾つくらいかわかりませんが、自分の人生ですからね、好きにさせてやりたいような気も…

    穿刺の失敗で苦しめられた経験は、もちろんもってますよ。
    ただでさえ、注射怖がりなのに、完全に凹んじゃいますね。
    「穿刺」とか「失敗」とかでサイト内検索していただくと経験談がありますよ。

    移植は難しいテーマですね。
    私は、もういいかな、って今のところ思っています。

    愚痴でもなんでもどうぞまた遊びに寄ってください。

  4. ユメさん、こんにちは。

    桜が、そうですか、暖かいですもんね。

    車の運転が危ういので、引きこもり状態がもう2ヶ月以上になってます。
    それでも、朝起きて目ヤニが出ていなくなりましたし、やっと目を開けていられるようにもなりましたので、あとはピントが合って来るのを待つばかりです(だと、思うのですが…)。

    春も、目が見えるようになるのも、待ち遠しいです。

  5. 病院側の対応が、というか担当医師に腹が立ちます。

    せめて、再手術後の経過が良好である事を願うのみです。

  6. ゆうさん、こんにちは。

    再手術後一ヶ月を経過し、やっと目を開けていられるようになりました。が、
    未だにピントは合わず、いったいいつ頃、幾つくらいの視力に戻るのか、
    何ら説明を受けていないことに新たな憤りが…

  7. ご無沙汰しています。
    このところほとんどネットにも接続できず、なにやらばたばたとしていました。。。

    久しぶりにこちらを拝見したら、
    大変なことになっていらっしゃったようですね・・・。

    わたしはずっと昔に白内障の手術をしたのですが、
    ネフローゼ症候群と同時にかかっていた大きな病院の眼科では、
    『あなたは太りすぎだからこのままでは麻酔が効かないから白内障の手術はできないよっ(怒)!!!』
    と怒鳴られました。

    そもそもここの眼科の医師は部長以下全員が常時ためぐち、怒り口調で話す人たち。
    そういう教育方針なのか?
    常々不快な思いをしていました。

    個人的な見解ですが、
    大きな病院の眼科はどうも時代錯誤というか、
    態度に問題のある医師に多く当たるような気がします。

    わたしが太っていたのは間違いないのですが、
    今までに他の大きな手術も何度か経験し、
    麻酔が効かないので手術ができないなどと言われた事はありません。
    (効きにくいよ、とは言われましたが(笑)。)

    その眼科が信用できなかったわたしは、
    ネットで調べて、白内障をほぼほぼ専門にやっている眼科を探し、
    そちらでの手術を受けることができました。

    そこのスタッフは医師を含めて全員親切丁寧で、
    費用の事を心配して、同じ月に両目の手術をしてくれました。

    術後から現在に至るまで、
    目のトラブルは特にありません。

    やたらへりくだる、『患者様』とかいう病院もあまり信用できませんが、
    お互い信頼し合えるコミュニケーションが出来る病院がいいですね。
    こちらは命を託してるわけですから。

  8. かずみきさん、こんにちは、ご無沙汰です。

    ほんとですね、ちゃんと信頼し合えて、
    偽りのないコミュニケーションが取れる病院、というか先生や看護師さんがいいですね。

    こっちは、いつだって嘘偽りのない本音の丸裸ですもんね。
    かずみきさんの言う通り「命を託している」んですもんね。

    今回の治療が終了したら、新しい眼科を探そうと思っています。

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