動脈硬化のカテーテル治療(その5)

右足の動脈硬化のカテーテル治療のため入院した。
その話はこちら⇒

カテーテル手術が済み、移動用ベッドで病室に運ばれる。
病室のベッドに移され、腰のところにドームのようなものが置かれる。布団が傷口に当たらないようにということなのだろうか。

「絶対安静?」

「少しくらいなら大丈夫ですよ」
「え?そうなの?」

そういえば、移動用ベッドへ移される時に結構動いたもんな。心臓の時には移動用ベッドに移すなんてこともしなかったし、絶対安静だと言われて地獄のような経験をしたので(その話はこちら⇒)、てっきり今回も同じだと思っていたが…

それでも、過去の経験に縛られるように、しばらく微動だにせず目を閉じてジッと固まって時を過ごす。

ほどなく晩ご飯が配膳されてきた。そうだお昼抜きだったんだ、お腹が空いた。

「どうやって食べたらいい?」
「頭を起こしていいよ、30°くらいね」
そう言ってヘルパーさんはベッドの頭を起こして行ってくれた。

そうか、この姿勢で食べろってことなんだな。そうか…


お茶碗を腹に乗せ、お茶碗をのぞきこむようにしてスプーンでご飯をすくい上げ口に運ぶ。味噌汁はさらになかなか厄介だ…

なんて姿だ…

情けなくなって、スマホで写真を撮って妻に送る。
「こんな風にご飯食べてるよ…」
「あら…、配慮がないわね、なんとかなる?」
「意地でも食べるさ」
「手が使えるからね、がんばって」

看護婦さんが食べさせてくれたり、妻の時には食べやすいように小さく団子状にしてくれてあったり、いろいろな配慮を受けてきたが、放ったらかされたのは初めてだ…。

苦心惨憺、晩ご飯を制覇して…^^;
大きくため息をつきながら安静にして目を閉じる。頭は上げられるし左足は動かせるし腰をもじもじできるし、こんな安静なら楽勝だ、と気分も軽い。

妻にLINEで報告したり愚痴ったりする。
娘が孫の動画を送ってくれる。「じぃじ、がんばって~!」
SNS(FaceBook)で何人かの人がコメントをくれて遊んでくれる。
なんて便利な時代だ。退屈する間もなく4時間が経過する。

ドームのようなものと、傷口を押さえていた重しのようなものがはずされ、さらに開放的になる。ゴロゴロしても良いようだ。そのうち、ウトウトしたようだ、眠りに落ちた。

これでとりあえず、峠を越えた。
次の手術をしないと解決にはならないようだが、少しは楽に歩けるようになるんだろうか。期待しちゃうなぁ。

(つづく)

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