胃カメラしましょう

血便が出て救急搬送され、あれこれ検査して入院した(その話はこちら⇒)。

様子をみて、必要なら大腸カメラとかしましょうとのことで、透析の他は何をするでもなくゴロゴロ過ごす。

4日めから普通のご飯が出始めて、病人っぽくはなくなる。シャワーも制限なく浴びられる。

ちょうど冬の北京オリンピック開催中で、日がな一日テレビ観戦に呆けていてもいいのだが、なんだか不可解な判定やら競技に水を差す出来事が多すぎて、もひとつ夢中になれない…

そうなると、関心事は同室の入院患者の挙措動作になり、トイレが多い人だなぁとか、まったく動かない人だなぁとか…

この部屋の人たち、昭和11年14年18年生まれだって。なんと戦後生まれの人たちじゃない!って新鮮な驚きを覚える。

それにしても、そういう年齢になって、例えばお腹がどうの心臓がどうのって痛みを抱えて入院して、ツラい思いするなんてイヤだなぁ。ボクだったらもう病気と闘う気力なんて湧いてこないんじゃないのかなぁ。

この人たちのように、10年後20年後の自分が入院して苦しんでいる情景を想像したら、身につまされて凹んでしまった…

5日めは日曜日で、退院は明日か明後日かと退院を指折りシミュレーションする。

6日めの夜、先生が往診にみえた。
「木曜に胃カメラしましょう」
「え?…」

貧血が少しづつ進んでいることと、日曜に黒い便が出たため、胃からの出血が疑われるからだと。

もちろんそこは大切なとこだけど、それより何より、退院が金曜以降に延びてしまうことのショックと胃カメラの恐怖で頭がいっぱいで…

「胃カメラは睡眠状態で…?」
「半分睡眠状態でしますよ、胃カメラした記憶もないほどですよ」
「良かったぁ…胃カメラ苦しいんで…」

「で、木曜なんですか?」
「火曜は私が都合悪く水曜は透析ですから」
「そうですか…」
「透析の時、貧血の進み具合もみたいですし」
「わかりました…」

胃カメラの恐怖は一応免れたものの、退院が延びたショックはどうしようもなく…

家内に報告のメールをし、ショックだとぐずぐず愚痴り、寝付けない夜を過ごす。

(つづく)

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