退院したい!

血便が出て救急搬送され、あれこれ検査して入院し、胃カメラもやることになった(その話はこちら⇒)。

胃カメラの前の夜、急にクシャミが出始めた。鼻水も出る。胃カメラのタイミングでクシャミなんか出たら大変だ、困った。


胃カメラの朝、
「変わりありませんか?」先生が顔を見に来てくれた。
「急に、クシャミ鼻水なんですけど…」
「花粉かな、ボクも少し出始めたよ」
「花粉ですかね…」
(胃カメラ嫌々病…かと思われるのですが…)

そんな心配や抵抗をよそに、ことなく胃カメラは終了し、胃に異常も発見されなかった。が、微熱が出始めた。

「週明けに血液検査をして貧血が改善されていれば退院としましょう」
「退院ですか!ありがとうございます」
「熱が下がらないようだと、その治療も考えなくちゃいけませんが」
「はぁ…」

それにしても、入院してもう一週間以上が過ぎ、一日おきに透析をするだけの入院生活になんとなく嫌気を感じ始めていた。そのせいかどうか、微熱は下がるどころか39.2度まで上がってしまった。体がエライわけでもないので氷枕で様子を見る。

さらにその上、白い便が出た。白い便ってなによ!
言っているうちにお腹が下りだし下痢状態になり何度もトイレに駆け込む。しかし、便は柔らかいが色は普通の便の色になっていった。が、食欲がなくなってきた。

病院の食事は透析食を用意してくれているので、いろいろコントロールされていて、味も通常食のようにはいかないのが宿命だ。グズグズ言うつもりはないが飽きてきたか食欲がない…。さらに、食欲に釣られるように気力まで萎えていく。

これじゃどんどん病人になってっちゃう~。

運命の月曜日、よりによって、朝食のあと、嘔吐してしまう。
いかん!今日の透析時の血液検査で貧血が改善されていれば退院なのに、嘔吐だなんて!

が、透析が終わって遅い昼食も済ませ、午後3時を回っているのに何の音沙汰もない…。さすがに痺れがきれてナースコール!

「今日の退院は無いのかね?」
「退院だって?!」
看護婦さん、まったく知らされてない模様…慌てて先生に電話してくれる。
「先生、ダッシュでみえますって」
「ありがとう」
先生、ダッシュで来てくれて、
「貧血は徐々に改善されているのですが、CRPの値が急に高くなっていて何の炎症なのか様子を見たいのですが…」
何のことだかよく解らないが、こっちはもう退院したい一心で、
「退院はダメですか」
「退院して外来で来てもらうこともできますが」
「帰らせてください」
「わかりました」

急遽、退院が決定し、手続きがバタバタ始まる。何よりすぐに、自宅でスタンバイ状態の家内に連絡して退院を告げ迎えを依頼する。

結局のところ、血便から始まった一連の入院騒動は、黒い便や白い便、発熱、下痢、嘔吐、と次々と様々な暗雲が立ち込める中、何故だかよくわからないまま、早く帰りたい一心で、後のことは後で聞きましょうとばかりに、一目散に退散となった。

「で、何が悪かったの?」
「ウンが悪かったのかな」

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