夢のボタンホール(1)

透析患者になって2年半が経過した頃、

毎日繰る日も繰る日も、シャントの痒みに悩まされていた。

 

つい、ひと掻きしてしまい、

その刺激がさらなる刺激を呼び覚まし、痒くて痒くて耐えられなくなる。

 

シャントを真っ赤に腫らしたり、掻き傷跡を残したりして透析に臨むと、

「ボタンホールに挑戦してみる?」

「ボタンホール?」

「ペンレス(麻酔シール)を貼らないようにしたいでしょ?」

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