先生、脅かさないで…

動脈硬化の悪化で石灰化してしまった血管を切り開いて”石”を取り除いて1ヶ月強が過ぎた。(その手術の話はこちら⇒

残念ながら手術の効果は芳しくなく、この上はバイパス手術が望まれる、と執刀医の先生から申し渡されている。

だけど……


手術の後の麻酔から覚めた時の強烈な痛みの恐怖から1カ月たっても逃れられず、なんとかバイパス手術は先延ばしにしたいとの思いを抱きつつ、経過観察の診察に出かける。(恐怖の痛みの話はこちら⇒

「どう?」と先生。
「足の痛みはこないです、腿に痺れのような感覚は残ってます」
「ちょっとエコーで見てみようか」

先生、エコーで手術痕を診て難しい顔をしてさらに時間かけて診る。

「完全にふさがっちゃってる…」
エコーの画像を見せてくれながら
「ここ、ここがステントの入り口で、ふさがってる」
「はい…」
よく判らないが先生がそう云うのだからそうなのだろう…

「こっち(足先まで血液を運ぶ血管)は塞がれちゃったけど、石灰を執ったので、こっち(太もも)への血管に勢いよく血液が流れていて、そのおかげで足先までかろうじて血液が運ばれていて、今は痛み無く歩けてる。だけど、ここ(石灰を執ったところ)が血栓でふさがれてしまう恐れがある。その時は耐えられない痛みを伴う…」
「ぇえ~…、、こわ!」
「ただ、何事もなく10年もつかもしれないし…、悩ましいなぁ」
「……」
「血栓で塞がれた時は、6時間以内に何とかしないとその先の細胞が死んでしまうし、痛みは凄くて動くこともできないほどやし…」
「……」
「足を切断するということも…」

先生、脅さないで……
畳み掛けるように脅かされている…

「私は手術した方がいいと思うけど、麻酔覚めた時の痛みが、ね」
家内が助け舟を出してくれる。

「そうなんです、先生。あの痛みはもう恐怖でして…。手術の必要性は充分理解できましたし必要だと思います。だけど、あの痛みを思うと逃げ出したくなっちゃうわけで…」
「それは解りました。部分麻酔とかで痛まないように約束します」
「麻酔が覚めたタイミングと6時間後の夜中と2回味わいましたので…」

往生際悪く、痛かったことを繰り返し訴える。

なんとなく話が硬直していて、

「それにしても、右足の静脈は心臓バイパスに使っちゃってますよ…」
「まぁ、使える血管はいくらでもありますから、それは大丈夫です。まだこの先何があるかわからないので、なるべく静脈は残しておきたいとも思いますし…」

バイパスは、腰の部分と膝の部分と折れ曲がる部分を通すので人工血管では具合が悪いとか、造影CTとか検査をして手術の詳細は検討させてほしいとか、話は一気に手術の方向へ…

「どうですか、来月あたりに入院してもらって検査ってことで」
「それがいいんじゃない?」と家内が背中を押す…
「そ、そうですね…」(わっ!話が進んじゃった!)

「それじゃ、9月6日の透析をいつも通り済ませて7日に入院ということでどうですか?手術はその翌週あたりで…」

わ!手術まで決まっちゃった…

まぁ、いつ血栓で詰まるかビクビク暮らすより、ちゃんと対策した方が良いに決まってるんだけど、それにこのコロナ禍の緊急事態宣言で何処へ行けるわけでも何ができるわけでもないので、この機に手術しちゃった方が良いに決まってるんだけど…

気持ちが付いていききれていないけど、正しい方向へ向かっているとは思うわけで、なんとも言い表せない思いを抱えて、病院を後にした。

(つづく)

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