夢のボタンホール(1)

透析患者になって2年半が経過した頃、

毎日繰る日も繰る日も、シャントの痒みに悩まされていた。

 

つい、ひと掻きしてしまい、

その刺激がさらなる刺激を呼び覚まし、痒くて痒くて耐えられなくなる。

 

シャントを真っ赤に腫らしたり、掻き傷跡を残したりして透析に臨むと、

「ボタンホールに挑戦してみる?」

「ボタンホール?」

「ペンレス(麻酔シール)を貼らないようにしたいでしょ?」

“夢のボタンホール(1)” の続きを読む

シャント再手術(4)ー時間がかかるけど

シャントの再手術から10日が過ぎ、抜糸の日を迎える。

 

手術後の何日かめから、

手術跡が部分的に腫れて赤くなってきて、親指の付け根あたりが鈍く痛い。

透析病院の看護婦さんによれば、

シャント手術によって分断されて動脈の先に血液が充分に循環しなくなって

いることも考えられる、とのこと。

“シャント再手術(4)ー時間がかかるけど” の続きを読む

シャント再手術(3)ーうまくできました

シャントの再手術のため、手術室に入る。

 

一年半前のはじめてのシャント手術と同じ細い十文字のベッド、

それを照らす大きなライトが天井からつり下がっている。

 

今回はもう先生がスタンバイしている。

 

左手は手術、右手は血圧、とベッドに十文字に張り付く。

“シャント再手術(3)ーうまくできました” の続きを読む